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ダービーで今季10点目のFW興梠「退場は可哀そうな部分もあった…」

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[10.5 J1第28節 浦和4-0大宮 埼玉]

 前へ、前へ。それが、大宮アルディージャとのダービーを戦う上での浦和レッズのキーワードだった。立ち上がりから、その姿勢は明確に出る。1トップのFW興梠慎三へ、ロングボールが何本も送られた。「ニールに関しても前には強いけど、裏には弱いから。なるべく足元ではなくて裏にボールを出してほしいという話は試合前からしていた」と、興梠は振り返る。

 その狙いがはまり、前半8分にはGK北野貴之と1対1の局面を迎えた興梠だったが、この場面では相手GKに阻まれた。それでも、その1分後、再びニールの背後でボールを受けると、PA内でファウルを誘いPKを獲得。さらに、このプレーでニールが退場となり、浦和は数的優位を得た。

「退場になったのはちょっと……。可哀想な部分もあったけど、こっちとしては助かった部分もあった。良い内容で行けたから退場になったと思うし、その場面の前にも(北野と1対1になった)チャンスがあった。あれは決めないといけなかったし、個人としては課題が残ったゲームだったけど、負けなかったことは良かった」

 先制後も1人多い浦和は圧倒的に大宮を押し込む。前への意識を高く保てたことが要因だと興梠は話す。「今日は90分を通して、前から行こうというのがみんなでできたし、湘南戦にせよ、甲府戦にせよ、1点取ってから引いてしまっていたので。それを失くそうと話していましたし、それが良い具合に今日はできたと思います。今日のような試合をやっていけば、勝利につながると思います。2点目を早く取れていれば、パーフェクトに近い内容だったと思う」と、興梠は続けた。

 実際に、大宮を押し込みながら、浦和は後半27分にMF原口元気が追加点を挙げるまで、2点目を取れなかった。それでも、同31分には興梠にもさいたまダービー初ゴールが飛び出し、途中出場のMF関口訓充も続いた。この日の得点で今季の通算ゴールを10とした興梠は「『最低でも2ケタは取ってくれよ』というサポーターの声が多かったので、最低限はできたかなと思いますが、まだまだ6試合あるので。ここからがすごい大事な戦いになると思います。自分が点を取ることも大事ですが、チームのために頑張りたい」と、いつものようにフォア・ザ・チームの精神で戦うことを強調した。

(取材・文 河合拓)
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