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長友「スタンコビッチに成長した姿を見せたい」

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 かつての盟友の代表引退マッチとなる特別な一戦。DF長友佑都(インテル)がMFデヤン・スタンコビッチとの“対戦”を心待ちにした。

 スタンコビッチは現在、国際Aマッチ通算102試合出場でサボ・ミロセビッチと並んでおり、日本戦に出場すれば103試合になり、セルビアの最多出場記録で単独トップに立つ。

 長友は「彼は偉大なる記録を持っている選手。インテルで一緒にやっていて、プレー面だけではなく、精神面でも彼に教わった部分がたくさんある。こういう形で彼の引退試合に携われることはすごい誇りに思うし、幸せだなと思う」と熱い思いを語った。

 所属のインテルでは11年1月から今年5月までともにプレーした。思い出深いのは地方クラブのチェゼーナからビッグクラブのインテルに移籍したばかりのころ。まだイタリア語も堪能ではなかった日本人に対し、スタンコビッチはピッチ内外で面倒を見てくれた。オランダ代表MFヴェスレイ・スナイデルや元ルーマニア代表DFクリスティアン・キブと一緒に食事に行ったこともあった。

 今回のセルビアへの移動では、ミラノからの便が偶然一緒だった。

「彼は『インテルから“ユウトを削るな”と言われた」と言っていた。反対に彼からは『最初の10分、15分は俺にプレッシャーに来るなとみんなに言っておけ』と言われたので『分かった』と言っておいた」。機内でのやりとりを語る表情にもうれしそうな様子がにじみ出る。
 
「彼のメンタルがブレているところを見たことがない。ケガが多い時期があり、僕も(リハビリを)ともにしたのだが、彼はいつも今自分にできることをしっかりとやっていたし、自分のことだけではなく、苦しいときでもチームのために行動を起こしていた。そういう彼を見ていて、学ぶべきところがたくさんあった」

 旧ユーゴスラビア選手ならではのメンタルの強さを身近に感じつつ、インテルで飛躍してきた長友には、セルビアの英雄に見てもらいたいものがある。

「彼は僕が日本代表の日の丸を背負って戦っている姿を見たことがないと思う。日の丸を背負って成長した長友佑都を、彼の目の前で見せたいという強い気持ちがある」

 真剣勝負の中で見られる、長友とセルビアの英雄との戦いにも注目だ。

(取材・文 矢内由美子)

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