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日本vsセルビア 試合後の選手コメント

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[10.11 国際親善試合 セルビア2-0日本 ノビサド]

 日本代表は11日、セルビア北部ノビサドのカラジョルジェスタジアムでセルビア代表と対戦し、0-2で敗れた。後半14分に先制点を許すと、その後の反撃も空転。後半アディショナルタイムには追加点を決められ、攻撃陣も6月15日のコンフェデレーションズ杯・ブラジル戦(0-3)以来、9試合ぶりの無得点に終わった。

以下、試合後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
「前半を無失点で抑えて、後半は入りやすかったけど、先に点を取られると厳しい。相手のやることがハッキリして、ブロックを敷いてきた」
―いい攻撃が少なかったが?
「単に技術的なミスだったり、そういうこと。セルビアはカウンターから2点目を決めてきた。強いチームだったと思う」
―どう打開しようとした?
「最後、何かアクションがなければ崩せないと、やりながら感じていた。カウンターの精度も高めないといけないし、左サイドでも(マークに)タイトに来られて、攻撃で違いをつくれなかった」
―試合の入りは難しかった?
「引退試合の雰囲気が最初あったのは事実。でも、そういうのとは関係なくやろうと試合前から話していた。立ち上がり、明らかに試合に入り切れない中、前半を失点ゼロで抑えられたのはよかった」
―後半は中に入って絡もうとしていた?
「流れの中で数的優位をつくって崩していきたいと思っていた」
―個人のパフォーマンスは?
「率直に消化不良というか、そういう感じです」
―長友と話している場面もあったが?
「相手が引いていたから、(長友)佑都が仕掛けて単純にクロスを上げても、2、3本クリアされていた。あそこで切り返して一度バイタルに入れて、イバノビッチの前に一人入るとか、動きが必要だと思った」
―結果については?
「アウェーで戦ううえで、チームとしてまとまりながら先制点を取らないといけない。そこで差を感じた。みんな悔しいし、こういう試合で勝つことを望んでいた。結果は残念」

●FW岡崎慎司(マインツ)
―新たに柿谷が入った攻撃は?
「(香川)真司とか俺とか、そういうところに入れようとしている。今までのようにパスで、ではなく、早い攻撃で(本田)圭佑のところにボールが入ったらみんなが裏を狙うというところ。狙えてはいるけど、チャレンジして精度を上げていかないといけないと思う」
―今日の守備は?
「うまくいっていたと思う。そんなに破られた場面はなかった。ただ、カウンターのところで、簡単に見えるけど、あれを簡単に決めてくるのはやっぱり自分たちと違う。俺らはカウンターの精度を上げることが必要。これくらいのレベルになると、相手が整った状態で点を入れるというより、ボールを奪ったあとにスピーディーに攻撃を仕掛けるということが必要になってくる。チャンスにはなったけど、決定的ではないから。整った状態でのサッカーも必要だけど、90分間の中でそうじゃないときのサッカーも必要。取ったあとの速攻というのが必要になる。今はパスを回している段階だけど、ぎりぎりになってきたら逆にもっと少人数のところにパスを出して、それを(柿谷)曜一朗のところに出して、曜一朗はシュートに持って行く力はあるし、俺も抜けるのは得意。そういうところを狙っていったらカウンターを受ける危険性もないし、少人数で点を取ればという思いがある。1-0になればイタリア戦みたいに自分たちのサッカーができる」

●FW柿谷曜一朗(C大阪)
―0-2で敗れた。
「2連勝したかったので絶対に勝ちたかった。すごく残念。次の試合に出してもらえたらチャンスを生かしたい」
―9試合ぶりの無得点だが?
「守備陣が前半からしっかりやってくれたので、攻撃陣が決めていればと思う。それは僕の力不足。自分のプレーはまったくできなかったわけじゃないかもしれないが、やはりゴールという形で結果にこだわりたかった。DF陣を含め、後ろの選手にはすごい迷惑をかけたかなと思う。いい形はあったけど、いい形からのゴールを奪うことができなかった」
―ボールを保持してもあまり好機はつくれていなかったのでは?
「回させられているというのは感じた。でも、日本の技術でしっかりやらないといけない」
―相手CBは世界的な選手だった。
「個人として何もしていない。ただ、チームはチャンスもあった。相手の体は強いと思ったが、こういう相手でもしっかり勝って、自分たちのサッカーができないと、W杯では勝てない」
―15日のベラルーシ戦に向けて、敗戦をどう生かしたい?
「負けは負けなので認めて、次の試合に生かしたいなと思います」

●MF細貝萌(ヘルタ・ベルリン)
「入ったとき負けている状況だったので、前がかりにならないと点を取れない。自分が後ろにいることによって前の人が多少リスクを冒してでも点を取りに行け
るようになればいいと思った」
―カウンターを受けたが?
「失点してしまったところにつながるクロスは完全に技術的なミスだった。ボールが来るときに思ったより伸びたので……」
―今後に向けては?
「負けている状況、勝っている状況、同点の状況で、流れにそってもっともっと状況を見ることができるようにならないといけない」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
「攻撃でシュートも少なかった。裏にボールを出して、チャレンジして失敗するほうが、ポゼッションでミスをしてカウンターを食らうよりいい。そういうボールがもう少し増えればよかった。試合運びは向こうのほうがうまかった。相手は組織的に守備ブロックをつくってきていたし、CBをはじめ、能力も高かった。裏へのボールも難しかった」
―2失点については?
「守備はそんなに悪くなかったが、1失点目はトリッキーなFKでラインが下がって、そのままずっとボックス内に残ってしまった。ラインが下がることでギャップができてしまった。今までも守備が課題とずっと言われてきたし、これからもずっと課題だと思う。全体的に悪くないのにやられるというのは細かいところの詰めの甘さ。そこを突きつめていかないといけない」
―前半は試合に入り切れていないように見えたが?
「ゴールに直結するようなピンチはなかった。前半も苦しい感じはしなかった。ただ、こねている間に取られると難しい」
―久々の公式戦だったが?
「予想していたよりはよかった。体も動いたし、コンディション的には悪くない。やっぱり試合は楽しい」
―先制されてからの流れは?
「2点目を取られたら終わりだと思っていた。その間にチャンスをつくれればよかったけど……。細かいところをもっと詰めていかないといけないし、シュートをもっと打たないと。相手の1点目もシュートが当たってコースが変わってという形だった」
―無得点に終わった攻撃が一番の課題?
「攻撃が悪い、守備が悪いではなく、全体としてうまくいかなかった。守備が悪いときもあるし、攻撃が悪いときもある。それはサッカーで起こり得ること。チャンスが生まれるような攻撃をしないといけないし、守備は粘り強く対応しないといけない。少ないピンチが失点に直結している。失点を減らすことを考えないと、2点取られて3点取り返すのは難しい」

●DF今野泰幸(G大阪)
「今日のゲームは我慢比べだった。相手も組織的な良い守備をしていたし、うちも何とか前半から耐えていたけど、我慢比べで、ちょっとあの場面ではラインが下がりすぎてしまった。マークにもいけなかった。相手のシュートミスだと思うけど、それでもプレッシャーに行けずに失点してしまったのは残念」
―FKから不意を突かれた?
「でも、そういうのをやってくるというのはスカウティング済みだったので。警戒していたので、そこで組織を立て直せなかったのが失点の原因。FKで何かやってくるぞというのは分かっていたので」
―セルビアはW杯には出ないが、W杯ならこういう相手に勝たないといけない。
「俺らはまだまだ学ばいといけないところがたくさんある。個人としてもチームとしてもレベルを上げていかないといけない。今日の試合でもさらに強くなっていかないといけないと思った」
―攻撃にも絡んでいた。
「CBにも攻撃の起点になってくれという戦術があるので。前が空いていれば俺らも積極的に行って相手を引き出すと、数的優位をつくりやすいので、そういう狙いはある。後半は少なかったけど」
―試合の入りは難しかった?
「そんなことはない。立ち上がりから集中していこうと話していた」

●DF内田篤人(シャルケ)
―スタンコビッチの引退試合ということで入り方が難しかった?
「いい選手が引退していくセレモニーというのはやらないといけないことだし、それはやる前から分かっていたこと。理由にはならない」
―いい形で攻撃できなかった。
「中盤でミスが多かった。そこは気を付けたい。アウェーでボールを持たれるのは予想していたし、後半は相手も間延びして、清武とか本田さんにボールが入る場面もあった。そこで点を取れないといけない。相手はW杯に出られないチーム。W杯に出られるということは大事だと思うけど、僕はシャルケでも『お前らはアジアだから(W杯に出られる)』と言われる。そういう言葉を覆したいと思っていた。そういうのは結果を出していかないと変わらない」
―1失点目は?
「セットプレーの流れだったけど、スカウティングの段階で相手がこっちの気をそらしてくるというのは頭に入っていた。教科書どおりにやられた。セットプレーでやられて、カウンターでやられて」
―後半もあまり決定機はなかったが?
「時間が進みにつれて、ボールへのプレッシャーや試合の熱さは激しくなってきていたけど、前半よりは真ん中も空いていた。ただ、最後は固い。ゴール前に人数をかけてきていた。2失点より無得点のほうが悔やまれる。あと少しボールが届かなかったり、最後の質のところ。真ん中からサイドに散らして、そこからかな。真ん中は固いから。途中まではうまくいくけど、最後は固い。臨機応変にやらないと勝てない」

●DF長友佑都(インテル)
「完封負け、それも0-2なので良かったところを探すのが難しい。自分のミスで失点に絡んでしまった。しっかり反省しないといけない。相手もコンパクトにやっていて、僕にもマークがタイトで、なかなかいい形で攻撃ができなかった。しっかり僕らのサッカーをできればチャンスはできたはず。僕らの力不足。今日これから一度冷静に考えてみて、みんなでしっかり話し合いながらやっていきたい」
―サイドが使えなかった。
「中が硬かった。サイドから崩していくということを話していたけど、相手のサイドに人数が多くて、なかなか数的優位をつくれなかった」
―次に向けて。
「まず、今日の試合で出てきた課題をしっかり受け止めて、しっかり話し合って、次の試合に臨みたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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