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試合勘の欠如を痛感した香川「状態が悪かった」

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[10.15 国際親善試合 日本0-1ベラルーシ ジョジナ]

 だれよりも自分自身が苛立っていた。思うようなところに置けないトラップ、細かいパスのズレ。11日のセルビア戦(0-2)に続いて精彩を欠いたFW香川真司(マンチェスター・U)は、試合勘の欠如をまざまざと痛感させられた。

「僕的には、試合に出ないといけないと、この2試合で感じた」。そう率直な心境を吐露した香川。「親善試合だったけど、こういう雰囲気の中で、試合勘というのを公式戦で感じる部分もあった。この2試合、どこか(試合に)入り切れていなかったのは事実」と言葉を絞り出した。

「厳しい戦いの中で自分を磨いていかないといけない。コンディションもボールタッチも、細かいところを含めて、いきなり試合をするには状態が悪かった。そういう意味で、やっぱりチームで(試合に)出ないといけない」

 所属するマンチェスター・Uで出場機会に恵まれていない現状。試合勘の欠如によるプレーへの影響を感じざるを得なかった。日本代表のためにも、来年のブラジルW杯のためにも、ユナイテッドで試合に出なければならない。あらためて、そのことを思い知らされた。

 香川の低調なパフォーマンスに引きずられるように、チーム自体も2試合を通じて効果的な攻撃をほとんど見せられなかった。「結果は見てのとおり2連敗。得点もゼロ。これが現状と受け止めてやるしかない」。アウェーとはいえ、セルビアもベラルーシもW杯予選で敗退しているチームだ。

「セルビア、ベラルーシというW杯に出れない2チームに負けたのが現状なのかなと。チーム状態も決して良くない。でも、ここで下を向く必要はない。バラバラになるのが一番よくない。ここで空中分解というか、一人ひとりがチームに疑問を持つことは一番やっていはいけない」

 自分自身にも、チームにも危機感を募らせる香川。11月にはオランダ、ベルギーというW杯予選を突破した欧州トップレベルの2チームと対戦する予定だ。「素晴らしい相手だけど、その前に個人的にチームで(ポジションを)勝ち取らないといけない。それを痛感する2試合だった。そこに集中したい」。休む間もなく、今度はユナイテッドでポジションを勝ち取るための闘いが待っている。

(取材・文 西山紘平)

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