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最速で次節“静岡ダービー”で降格…磐田MF安田「サッカー人生がかかっている」

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[10.19 J1第29節 川崎F2-1磐田 等々力]

「ある程度ボールを支配されても、今日はとにかく勝ち点3」というジュビロ磐田の関塚隆監督のプランは、ラスト6分までは完遂されていた。前後半通して川崎フロンターレの猛攻を浴びたが、GK八田直樹の好セーブもあり、最後のところで失点は防いでいた。そして、カウンターから先制。上位チームに対して、理想的な試合運びを見せていた。

 しかし、先制した後の試合運びで拙さを露呈した。「勇気を持ってボールを持つ時間を長くしろ」という関塚監督の指示も虚しく、自信を失くしたチームは防戦一方に。そのまま守り切れればよかったが、先制した試合の勝率がわずか2割2分2厘というデータが示すとおり、古巣である川崎Fにあっけなく敗れた。試合前の選手紹介で名前がコールされた際には、川崎Fサポーターから盛大な拍手が送られた関塚監督だったが、かつてのホームグラウンドで勝利を飾ることはできなかった。

「あそこは守り切らないといけなかった。こういう負け方がこの順位にいる理由」とMF安田理大はバッサリと切り捨てた。相手チームのFW大久保嘉人も「勝っているのに余裕がなかった。そこを突こうと思った」と指摘。その言葉どおりにラスト6分で2点を挙げると、勝ち点3を奪い取った。

 幸いにも15位の甲府も柏に敗れたため、勝ち点差は「10」のままだが、残り試合数はひとつ減り「5」となった。最速で次節、甲府が勝利して磐田が敗れた場合に、J2降格が決定する。「サッカー人生がかかっている」と誰よりも危機感を持つ安田。海外で3シーズンを過ごし、日本以上に過酷なゲームを戦い抜いてきた安田は「泣くのはまだ早い。まだ落ちてない」と冷静に現状を語るも、「オレをスタメンで使ってくれたら勝つと思う」とアツい気持ちを見せていた。

 降格のかかった次節は、奇しくもホームでの“静岡ダービー”。永遠のライバル・清水との決戦に、リーグ優勝3回を誇る名門・磐田が背水の陣で挑む。

(取材・文 奥山典幸)

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