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[MOM864]帝京DF小川一矢(3年)_名門の守備の要、完封で4強へ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.20 全国高校選手権東京都Bブロック準々決勝 帝京1-0三鷹 駒沢第2]

 本格的にCBを始めてからまだ半年足らず。それでも抜群の安定感を見せるDF小川一矢主将(3年)が帝京の勝利の立て役者だった。三鷹のスピーディーなパスワークに後半主導権を握られた帝京だったが、剥がされかけても絶妙なカバーリングで守る小川がチームの危機を消していく。前への潰しで力を発揮する他のDF陣を上手くコントロールしながら要所を締め、豪雨の中で行われた難しいゲームを無失点で終えた。

 当初は相手が「蹴る」サッカーを選択してくることを予想していた。ただ「ダイレクトのパスとかサイドからの攻撃が多かったのは予想外ではありましたけれど、対応はしっかりできたと思います」と胸を張ったように、PAへ侵入される前にピンチの芽を断ち切った。元々はボランチやトップ下の攻撃的な選手で今春の関東大会予選からCBを任されているが、正確なフィードも含めて高いレベルで自分のポジションにしている印象だ。

 0-0の展開が続く中、試合途中からは「勝っていたりする時は蹴らない」というセットプレーのキッカーも努めた。そしてこの日の決勝ゴールは小川が右CKをファーサイドのFW柳下大樹(3年)の頭へ合わせてから、最後にMF橋本希望(2年)が押し込んで生まれたもの。勝負どころでしか「蹴らない」自身のセットプレーからのゴールに「自分のCKから点に結びついたのは嬉しいことでしたし、PKになることも覚悟していたので嬉しい点でしたね」と充実した表情を見せていた。

 名門・帝京の主将を務めることに対し、「プレッシャーもありますけれど、支えてくれる仲間もいる」とチームメートに感謝。その支えてくれる仲間たちのためにも攻守で貢献して名門を全国へ導くだけだ。「Tリーグ(東京都リーグ)でやっていても、『このチームには勝てない』と思うことはない」と手応えを感じている今年の帝京を全国で披露する。

(取材・文 吉田太郎)
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