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幻の同点ゴールの浦和FW興梠「良いレフェリングをしたと思う」

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[11.2 ナビスコ杯決勝 浦和0-1柏 国立]

「すごく良いレフェリングをしたと思います」。後半45分、同点ゴールを取り消されたFW興梠慎三は、皮肉ではなく、審判を称えた。ゴール前の混戦で、MF柏木陽介に当たったボールが、オフサイドポジションにいた興梠の前にこぼれる。これを興梠がゴールに押し込み、浦和の選手たちは歓喜の輪をつくったが、扇谷健司主審は副審とオフサイドであることを確認し、得点を認めなかった。興梠も、このゴールがオフサイドであったことを分かっていたという。

「あれが逆の立場だったらね。すごく良いレフェリングをしたと思うし、鹿島戦みたいに、ああいうのはもうね。だから、良いレフェリングをしたんじゃないかなと思いますけど、あとは自分自身、決められるチャンスで決めていれば良かったのですが、個人的には何もできなかったので」

 今年5月11日に行われたJ1第11節の浦和対鹿島戦では、オフサイドポジションにいた興梠のゴールが認められ、浦和が3-1で勝利していた。後味の悪さが残っていた興梠は、審判団が正しいジャッジをしたことを称え、自身のプレーを反省した。

 前日から「興梠がポイント」と話していたDF近藤直也を筆頭に、柏の選手たちは興梠への縦パスを徹底的にケアした。縦パスが入らないことで浦和の攻撃はノッキングを起こし、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。興梠自身もシュートは、前半の1本に抑え込まれた。「後半は相手が1点をリードして引いてしまいましたが、前半はまだスペースがあったので。あそこで貪欲に要求すれば良かったという悔いが、今でもあります」と、反省する。

 昨年、一昨年のナビスコ杯連覇をはじめ、07年と10年の天皇杯と、これまで決勝で無敗だった興梠にとって、準優勝は未体験の悔しさだ。

「負けたのが初めてなので…ああいうふうに、(相手に)カップを上にあげられて、それを下で見るっていう立場は…。すごく悔しく思います。この悔しさは二度としたくないし、まだ今年は終わっていないから。次、Jリーグに切り替えて頑張っていきたいと思います。今日やっていたサッカーは、そんなに悪かったわけではないので。このサッカーをどんどん続けてやっていきたいと思います」

 初めての屈辱の中、興梠は更なる成長を誓った。

(取材・文 河合拓)
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