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準優勝を悔しがる浦和MF柏木「銀メダルいらない」

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[11.2 ナビスコ杯決勝 浦和0-1柏 国立]

 このスタイルで戦っていく上で、今後も浦和レッズに付きまとう問題だろう。2年ぶりに勝ち進んだナビスコ杯ファイナルで、浦和は前半から圧倒的にボールを保持する。しかし、引いた柏レイソルを崩せないまま、前半ロスタイムにはFW工藤壮人に先制ゴールを決められた。後半に入ってからも、『守ってカウンター』という狙いを強調しやすくなった柏から得点を挙げられずに0-1で敗れている。

 試合後、MF柏木陽介は「1チャンスでやられてしまった」と、試合を総括した。「後半は自分たちのサッカーができて、自分も決められるチャンスがあったし、他の選手にも決められるチャンスがあった中で、決められなかったことが大きかった。勝ちたい気持ちは出ていたんですが…。正直、ほとんど(相手に)チャンスがないなかでやられてしまった感じなので。点を入れられた場面のように、(浦和が)攻めた後のカウンターっていうのは、相手にもあったと思うけど、それ以外、何もなかったと思う。そういう相手に自分たちのサッカーをしながらも負けたことが、すごく悔しい」。

 前半はなかなか前線にボールが回ってこない中で、後半14分に柏木はMF鈴木啓太からのスルーパスを受けて、決定機を迎えた。しかし、シュートはGK菅野孝憲に抑えられて、得点を挙げられなかった。その後は最終ライン近くまでおりて、攻撃のビルドアップに加わるなど、最後まで勝利を目指した。後半ロスタイムには興梠の幻の同点ゴールにも絡んでいる。

「オフサイドだと分かっていました。でも、副審が気付いていなかったから、喜んでおけば、認められるかなとも思ったんですけど、仕方ないですね。それまで攻め急ぐことも多かったし、もうちょっと丁寧にボールをつなげれば、チャンスもできていたと思うので」

 すぐに優勝争いをしているリーグ戦に、気持ちを切り替えなければいけない。分かっているが、さすがに試合直後のミックスゾーンでは葛藤が続いていた。「苛立ちもすごくあるし、銀メダルいらない。それくらいの気持ちだけど、この悔しさをリーグで味わわないために、金メダルをとれるようにやっていくことが一番大事だと思うから、来週からまた良い準備をして、成長して、優勝できるようにやっていけたらと思います」と、懸命に前を向いた。

(取材・文 河合拓)
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