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優勝杯を掲げたキャプテン代理の柏MF栗澤「最高でした!」

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[11.2 ナビスコ杯決勝 浦和0-1柏 国立]

 キャプテンのMF大谷秀和の不在による不安を一瞬、感じさせた。その場面について聞くと、MF栗澤僚一は「よく忘れるんですよね」と苦笑した。それは、記念写真を撮影した直後のことだ。キャプテンは相手チームのキャプテンと審判団の前でコイントスを行う。しかし、集合写真撮影後、大谷は自分のポジションへと駆けて行き、審判に声を掛けられて、コイントスに加わった。

 しかし、そんな不慣れな一面を見せたのも、キックオフまでだった。大谷に加え、DF橋本和、MFキム・チャンスら、レギュラーが複数不在のチームを束ねて、1-0の勝利に大きく貢献した。浦和の選手たちは「後半は自分たちのサッカーができた」と口々に振り返るが、柏にとっても後半の方が狙い通りだったと、栗澤は言う。

「相手の流動的な攻撃に、いかに対応して、そこからカウンターという狙いでした。(1試合通して)そこまで狙い通りにできたわけではありませんが、得点シーンは藤田(優人)の良いクロスから、本当に良い時間帯の得点だったので。後半は相手ももっと攻撃に出てくるから、もっと守備をしないといけないと思っていました。後半の方が、はっきりカウンターは意識できていたと思います」

 今シーズン第30節時点で、J1最多の59ゴールを挙げている浦和の守備を完封した。多くのレギュラーメンバーを欠きながらも、結果が出せている理由について、栗澤は「それは監督のチームづくりですね。常に選手が準備できている状態ですし、練習からそういう雰囲気なのが良い所だと思います」と、指揮官を称賛した。

 決勝に向けての準備段階でも、「決勝になると、みんな自然と気持ちも高ぶりますし」と、特別なことをしていないと謙遜する栗澤だが、このタイトル獲得も一つのスタートと貪欲な姿勢を見せる。

「本当にレイソルが強くなっていく上で、『これを皮切りに』っていうかね。今までもこうやってタイトルを獲って、それをきっかけに強くなっていこうと思っていたので、それは継続していきたいです」

 試合前はキャプテンの役目を忘れていた栗澤だったが、試合後はしっかりと任を果たした。両手でトロフィーを高々と掲げた瞬間を振り返り「最高でした」と、満面の笑顔を見せた栗澤は、「リーグ戦もこのままじゃいけないし、勝ち続けることが大事になってきますから。次も広島で同じような相手ですし、もっと質を上げていきたいですね」と、どこまでも頼もしかった。

(取材・文 河合拓)
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