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[MOM879]莵道MF本田高希(2年)_2発!見る人の心掴む“やり切る姿”

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[11.4 全国高校選手権京都府予選準々決勝 莵道3-2久御山 太陽が丘球技場]

 流れを大きく莵道に引き寄せた男、MF本田高希(2年)は「素直に嬉しいですね」と満面の笑みを浮かべた。

「守備をしていても、久御山は上手いんで、回されるし、しんどかった」と振り返ったように、立ち上がりから積極的なドリブルで自陣に襲い掛かる久御山の攻撃陣に翻弄されつつも、DF陣と連動しながら、相手を囲い込んで冷静に対応。先制点を許しただけでなく、ポストに助けられるなど危ない場面もあったが、前半を想定の範囲内の1失点に抑える立役者の1人となった。

 ビハインドを広げられた後半は、MF長谷川佑太(3年)に守備を預けながら、果敢に前方へ飛び出し、高い位置でのボール奪取に貢献。攻められる一方だったチームの流れを変え、26分には「木下くんが頑張ってくれていたので、ゴール前にいたら来るかなって思っていた。ホンマに来て、“あ、来た!”と驚いたけど、蹴ったら入った」と右CKからのこぼれ球を絶妙なポジショニングで待ち構え、反撃の狼煙を上げるゴールを決めると、わずか2分後の28分にも、左サイドから崩したこぼれ球を「いい流れが来ていたし、青島先生も『走ったら何かが起きる』と言ってくれていたので、ゴール前まで走ったら、ホンマにいい事が起きた」と後方から、駆け上がって、同点弾を叩きこんだ。

 京都橘のU-18代表FW小屋松知哉(3年)らを輩出した宇治FCの出身。中学2年時、後に全国初出場を果たす事になった総体京都府予選の準決勝、久御山戦を観戦し、「久御山が勝つと思っていたけど、莵道が頑張って走る姿を見て勝ったのを見て、俺もここでやりたいと思った」と入学を決意した。不思議な縁のある相手に対しての勝利に「気持ちいいです」と笑みが止まらなかったのも無理はない。

「長所はこれと言ってないけど、ラストまで走り切れる所」と入学のきっかけを作った先輩たちと同じように、彼自身も走力が自慢。泥臭く、汗臭く最後まで“やり切る姿”で、4年前の先輩たちのように、誰かの心を掴んだに違いない。

(取材・文 森田将義)
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