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[選手権予選]東海学園が5年ぶりV、宮市擁する中京大中京を完封!!:愛知

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[11.9 全国高校選手権愛知県予選決勝 中京大中京0-2東海学園 名古屋市港]

 第92回全国高校サッカー選手権愛知県予選は9日に名古屋市港サッカー場で決勝戦を行い、東海学園が2-0で中京大中京を下し、5年ぶり3回目の全国大会出場を決めた。

 U-18日本代表FW宮市剛(3年、湘南ベルマーレ入団内定)を擁する中京大中京に完封勝利し、東海学園の鶴田道弘監督は「良い時間に得点がきれいに入った。(後半に)2点目を取ったことで、相手が気持ちを切り替えて攻めに来るのを耐えられるかどうかと思ったが、選手が頑張ってくれた」と攻撃陣も惜しみなく走り抜いて守備をした教え子たちを労った。

 試合は、序盤から東海学園のペースだった。中京大中京はロングパスを宮市に集めたが、東海学園の佐々木隆小室貴大(ともに3年)のCBコンビが制空権を譲らず、起点を作らせなかった。攻めては、2年生2トップと右MF村山翔規(3年)が精力的に動いて相手の守備網をかく乱。敵陣に押し込むと、ボランチの下田拓夢(3年)を経由したサイドチェンジでさらに揺さぶりをかけた。

 先制点が生まれたのは前半19分。右から村山が入れたクロスに逆サイドMFの萩野智明(3年)が飛び込み、頭で合わせた。決めた萩野が「準決勝は(先発を外れて)悔しかったので、この1週間はどこまで自分を追い込めるかとしっかり練習に取り組めたので、努力が実ったと思う。もっとボールを欲しかったが、右の方が突破力があって偏っていた。その中でも少ないチャンスを物に出来て良かった。クロスがどんぴしゃだったし、結果を残せてよかった」と振り返る渾身のゴールだった。先制点を奪われて攻撃のリズムを上げた中京大中京は、前半35分に右MF加藤優汰(3年)が相手GKと交錯したこぼれ球を宮市が狙ったが、シュートは倒れ込んでいた相手に当たり好機を逸した。

 後半は互角の展開となった。選手を交代しながら攻撃のテンポを上げる中京大中京に対し、東海学園は守備を重視しながらカウンターを狙った。中京大中京は後半21分、直接FKを狙おうとした主将の速水聖矢(3年)がトリックプレーで浮き球のパスを送り、空中戦で競り勝ったボールに宮市が詰めたがオフサイド。同24分には投入されたばかりの1年生MF福山大貴がいきなりボレーシュートを放ったが、東海学園のGK大澤俊太(3年)の好守に阻まれた。

 窮地をしのいだ東海学園は、後半29分に値千金の追加点を決めた。クロスボールで右から左へと大きく相手を振り回し、中央に戻したボールを司令塔の下田がシュート。これは相手に防がれたが、後半途中から出場して積極的なチェイシングを見せていたFW丸山凌平(3年)がいち早くこぼれ球に反応し、勢いよくシュートを相手ゴールにたたき込んでとどめを刺した。鶴田監督が「あいつがムードメーカー? そうですよ。見ていてそれがよく分かるでしょ? スキルはないんだけど、なんか持ってるよね」と目を細めるお祭り男の一撃は、勝敗を決定付けた。東海学園はその後もGK大澤の好守連発で相手の反撃を食い止め、2-0での逃げ切りに成功。高校総体の県予選で敗れた相手に借りを返し、悲願の全国切符を勝ち取った。

 鶴田監督は「選手権の全国大会には2度行っているが、一度も勝っていない。高校総体でしか全国大会の勝利がない。一つでも多く勝ちたい」と謙虚だったが、現チームは立ち上げ当初から全国4強を目標に掲げて努力してきた。精力的な守備で勝利に貢献した2年生FW森山巽貴は「右すねの骨折明けで県予選は、チームにあまり貢献できなかった。今日も守備はできたけど、FWなのにシュートを打てなかった。全国は、3年生に連れて行ってもらうようなもの。今度は自分が引っ張って優勝させられるぐらい得点を決めたい」と夢の国立進出を見据え、さらなる飛躍を誓った。

(取材・文 平野貴也)
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