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鳥栖に完封負けの磐田 DF伊野波「今年を象徴していた試合」

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[11.10 J1第31節 鳥栖1-0磐田 ベアスタ]

 残留の可能性をつなげることはできなかった。残り4節で4連勝しなければJ1残留の道が閉ざされる中で、ジュビロ磐田サガン鳥栖に0-1で敗れ、初のJ2降格となった。この試合に勝っていれば、大宮対甲府の結果次第では次節以降に残留の可能性をつなげられたが、自分たちで可能性を閉ざしてしまった。

 勝たなければいけない試合だったが、磐田は動きが重かった。前線でFW前田遼一がフリーになっても、縦にボールが出ない。個人で何とかしようとし過ぎるあまりに、MFカルリーニョスは何度もボールを失い、相手に速攻の機会を与えてしまった。

 前半24分には鳥栖の攻撃を受けると、左SB磯崎敬太のクロスを右SB丹羽竜平に決められるという形で、先制点を許してしまう。後半は鳥栖の倍にあたる10本のシュートを放ったが、GK林彰洋の好セーブにも阻まれて、最後まで得点できなかった。

 試合後、目を赤く腫らしたDF伊野波雅彦は「すべては勝負弱さが出た」と、吐き捨て「今年を通して、象徴していた試合かなって。チャンスがあるところで決めないとこうなるし、何度も同じようなミスをしていれば、失点を食らう」と、続けた。

 メンバーを固定して戦えなかったことを、伊野波は降格の一因に挙げた。「やっぱり自分を含めてDFラインがコロコロ変わることが多かったし、後ろが安定しないぶん、前も安定しなかった。そこの部分の誤算はありました」。DF駒野友一も「毎試合メンバーも変わるし、やはりうまく攻撃と守備のところで、自分たちの形が見つからなかった」と、伊野波に同調した。

 今シーズン、神戸から磐田に加入したばかりの伊野波にとっては、2年連続で所属クラブが降格するという結果になってしまった。来夏にはブラジルW杯が開催されるが、ザックジャパンの当落線上にいるDFは、「すべてが終わってから。このチームのためにしっかり頑張って、それが終わってから(今後は)決めればいいと思うし、そこは言うことじゃない。とりあえず、チームのために頑張ります」と、磐田の一員として戦う、今シーズンの残り3試合に集中すると語った。

(取材・文 河合拓)
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