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オランダから奪った歴史的初ゴール、1G1Aの大迫「もっともっと結果を」

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[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]

 先発の予感はあった。「昨日の練習からそんな感じかなと思っていた」という日本代表FW大迫勇也(鹿島)が9月6日のグアテマラ戦以来、3試合ぶりの先発で1ゴール1アシスト。過去2戦はいずれも零封負けだったオランダから日本代表史上初ゴールを奪い、反撃の狼煙を上げた。

 0-2の前半44分にMF長谷部誠からの縦パスを右足ダイレクトでゴール左隅に流し込んだ。「狙いどおりだったし、あの時間帯で0-2から1点を取ることができて、いい流れで後半に臨めたと思う」。1点差に追い上げ、迎えた後半はFW香川真司、MF遠藤保仁も入り、さらに攻撃が活性化。後半15分には流れるようなパス交換から同点ゴールを奪った。

 遠藤のサイドチェンジを受けたDF内田篤人からFW岡崎慎司、MF本田圭佑とつないで中に切れ込んだ内田がリターンを受ける。内田のくさびのパスを大迫がワンタッチで落とし、本田が左足でシュート。「(内田)篤人さんがあれだけ上がってきてくれたら自然と自分も空く。うまく相手の逆を突けた。(本田)圭佑さんもいいタイミングで入ってきてくれた」。日本らしい鮮やかな攻撃で2-2の同点に追いついた。

 大迫は後半28分に交代したが、日本にはその後も勝ち越すチャンスがあった。しかし、オランダ戦初勝利となる金星はならず、2-2のドロー。「勝ち切るには何かが足りないのかな」と振り返る大迫はゴール以外の部分で課題も見つけた。「ポストプレーでもう少しうまくおさめることができればよかった。課題が見つかるのはいいこと。こういうところで試合をして、出し切ってこそ得るもの。それはいいことだと思う」。良くも悪くも実りの多い試合だった。

「チャンスの数は少ないし、そこで結果を出せるかが大事。それをずっと狙おうと思っていた」。ストライカーらしい決定力を発揮し、FW柿谷曜一朗がレギュラーを務める1トップのポジション争いに風穴を開けた。「1トップ争いというよりチームのためにやっている。1トップ争いとは考えてない」。3度目の対戦にして日本代表がオランダから奪った初ゴールにも「歴史にとらわれるのはよくない。これからもっともっと結果を出せれば」と貪欲に語る大迫は、まだまだゴールに飢えている。

(取材・文 西山紘平)

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