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長友「重圧があって口数が少なかった」

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[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]

 若手だった岡田ジャパンのころとは置かれている立場も、自分たち自身への期待もまったく違う。DF長友佑都(インテル)は試合後、「プレッシャーがあった」と、重圧を感じながらのオランダ戦だったことを明かした。

 ピッチがぬかるんでいたこともあり、互いに様子を見ながらのプレーだった立ち上がり。最初にビッグチャンスをつくったのは日本だった。前半4分、長友は対峙するFWアリエン・ロッベンの裏に出て左クロスを上げ、CKのチャンスを得た。7分にはFW大迫勇也、MF長谷部誠、MF本田圭佑、FW清武弘嗣とつなぎ、またしても左サイドの長友がゴール前に危険なクロス。相手を警戒させるに十分は攻撃を連発した。

 ところが前半13分、一瞬のミスを突かれて先制点を許すと、39分には2失点目を喫する。先制されてからほとんどチャンスをつくれないままに2失点目を喫したことで、スタジアムには沈痛なムードが漂った。

 だが、それでも意気消沈しなかったのが長友だ。「強豪のオランダを相手に2点取られて、今日もダメなんじゃないかという雰囲気をみなさんが感じたのではないかと思う。でも僕らは絶対に取り返すんだという気持ちを見せられた。勝ち切れた試合だと思うから悔しいが、今日は気持ちを見せられたこと、チームが一つにまとまったというのが一番だと思う」と吹っ切れたように言った。

 10月の東欧2連戦では長友にもマンマークが付き、日本の強みである左サイドが封じ込まれた。その結果、無得点で2連敗。ファンは失望をあらわにし、チームは批判にさらされた。重苦しいムードで迎えたオランダ戦。12日から始まったベルギー合宿では、長友の口数も減っていた。

「今だから言えるが、すごい集中していて、あまりしゃべりたくないという気持ちが強かった。申し訳なかったと思っているが、オランダに対して、そしてロッベンに対して、僕自身負けたくないという気持ちが少なくなく、口数が減った。重圧は少なからずみんなが感じていたと思う。僕らは今まで以上にプレッシャーを背負っていた」

 オランダ戦では2失点から追いつき、勝ち越しのチャンスもあっただけに、再浮上のきっかけをつかむ内容にはなっただろう。だが、ここで満足しては先がない。「1試合では評価できない。続けないと意味がない」。長友は早くもベルギー戦を見つめた。

(取材・文 矢内由美子)

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