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日本vsベルギー 試合前日の選手コメント

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 日本代表は18日、試合会場のボードワン国王スタジアムで公式練習を行い、19日のベルギー戦に向け、最終調整した。前日17日は宿舎で調整し、練習に参加しなかったMF遠藤保仁、DF長友佑都も合流。17日は別メニュー調整だったFW香川真司、MF山口螢を含め、全23選手で練習した。

以下、練習後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
「意味のある試合にしないといけない。オランダ戦で得た課題や収穫を継続して、つなげていきたい。前半はおそらくスペースもなくて、激しい試合になる。辛抱強くやっていきたい」
―ベルギーにはプレミアリーグでプレーしている選手が多いが?
「僕に限らず、みんなも知っている選手ばかりだし、いい選手がたくさんいる。でも自分たちの戦い方をどうやっていくかが大事。どういう戦い方ができるか、一つのキーになる」
―ベルギーの監督も名前を挙げていたが、相手の警戒をどうかいくぐる?
「コロンビア戦を見ても、フィジカル、強さがあるし、それは上に行けば必ず厳しくなる。でも、自分一人でやるわけではない。チームで連動すれば崩せると思うし、それをやり続けることに意味がある」
―サイドに張るか、中に入るかの使い分けは?
「両方にイメージを持って、タイミングを図りながらやっていきたい」
―相手の裏が狙いどころ?
「やり続ければ必ず取れると思う。コロンビアもそうだった。チームとして裏への意識を持って、やり続けられれば」
―代表の年内最終戦でゴールを決めたい?
「自分自身、ゴールは欲しいし、オランダ戦は取れなかった。そこは狙い続けたい」

●FW岡崎慎司(マインツ)
―ベルギー戦のテーマは?
「まずは結果を出すことだと思うし、このクラスで勝てるという自信がやっぱり欲しい。勝つことに特化してプレーしていきたいし、足元を封じられたら裏、裏封じられたら足元と、バリエーションを持ってサッカーをやりたいと思う」
―コロンビア戦を見て参考になったのでは?
「自分の役目は常に狙うこと。バリエーションとしてはゴールを狙う裏への動きと、起点になる裏への動き。それが前回の試合ではうまくいったので、使い分けというか、苦しいときは相手のサイドラインやゴールラインで受けたり、そういうことをする。仮に取られたとしても相手を引き出すことができるので、そういうことをやりながら、自分の良さを出しながらチームプレーをしていきたい」
―マインツで1トップを経験しているが、それは3-4-3でも生かせる?
「3-4-3だったらショートカウンターがカギだと思うので、そのときの裏のもらい方。重要なのは取ったあとに素早くいったときに、ツータッチやワンタッチでゴールを決めることがマインツでは求められているし、このチームでもそうだと思う。中盤にパスを出せる選手がいっぱい出てきているので、次は決める選手が出てこないといけないかなと思っている」
―もらい手と受け手の関係性は岡崎選手が思っているようになってきているか?
「出した選手に注文することもそうだと思うし、いきなり合わせられる選手はいないと思うので、次はこういうパスをほしいとか、そういうのが必要。オランダ戦ではちょっとのズレがあったと思う。こういうぬかるんだピッチでは、ちょっとのズレがあると、足を取られるので、狙ったところに出してほしいし、出さなきゃいけない。高い要求はこれからも必要になってくると思うし、オランダ戦でも、その直後に言うように僕はしている」
―出し手優先から、もらい手も比重を高くしていく?
「そうですね。お互いが要求して、そのときの意識を共有すること。『お前はそこに欲しかったんだ』という会話になれば、次は出し手も分かる。最初は分からないかもしれないけど、1、2回そういうのがあって、出し手が欲しい場所に動けばいい。合わせてばかりだと、そいつの良さは出ないと思う。自分の欲しいところに若いやつらは要求すればいいし、それに合わせたり、合わせてもらったりがチームだと思うので、それをもっと明確にしていきたい」
―右サイドからの攻撃が増えたが?
「左には左の崩し方があると思うし、右は右の崩し方があると僕は思っている。今までは左が多かったかもしれないけど、左でいい攻撃ができているということは右がフリーになっているということだから、右でもつくれると思う」
―もらい手タイプの選手がガンガン言う必要もある?
「どっちかというと、僕はあまりしゃべらないでやる方だったんですが、やっぱり若い選手がいるので、自分たちが若いやつらに要求すれば、若いやつもやることが明確になると思う。あれやこれや言うことはないけど、自分が欲しい場所などを新しい選手に伝えることは、共有するという意味で、上であろうが下であろうが関係ない。僕も、言うタイプじゃないけど、若いやつらはそういうのを欲していると思うんですよね。もらう側の意思を後ろには言うべきだと思うし、言えば次は出し手の考えも聞けると思う」
―10月のうまくいかなかった時期があったからそう考えたのか?
「そうですね。もう1、2個レベルを上げないと強いチームには勝てないと思うし、そういう風に感じました」

●MF長谷部誠(ニュルンベルク)
―チームの雰囲気は?
「にぎやかで、雰囲気もよかった。中2日で、練習量も多くないので」
―オランダ戦に引き分けた影響?
「引き分けという結果よりも、内容で自分たちが手応えをつかめている部分がある。チームとしては雰囲気が明るくなっている。これを継続していくためにはみんながオランダ戦と同じ意識を持つことが大事。オランダ戦はホームのような雰囲気でやれた。次はアウェー。ベルギーは(14日に)コロンビアに負けて、連敗するわけにはいかないと思うし、難しい試合になる。でも、自分たちにとっては大きな経験。世界のトップクラスとドアウェーでやれるのはめったにないので」
―年内最後の代表戦だが?
「今年最後ということで結果も内容も伴った試合ができれば最高だけど、日本代表として長く活動していれば、いいときもあれば、悪いときもある。紆余曲折をへて成長していくものだと思う。オランダ戦で良い感触をつかめたので、その良い感触をより確かなものにして、今年を終えたい」
―ベルギーはシンプルなロングボールも使ってくるが?
「フォーメーションはオランダと一緒だけど、中盤の選手にもっとフィジカルがあって、ロングボールからセカンドボールを狙ってくる。190cmオーバーの相手に競り勝つのは難しい。みんなでセカンドボールを意識していくことが大事」
―中盤にも長身のフェライニがいる。
「コロンビア戦を見ても、フェライニ、ルカク、ベンテケ。(長身選手は)一人じゃない。みんなで集中して守ることが大事」
―オランダ戦のあとが大事?
「いい試合をしたあとに一息つくのではなく、常にいいパフォーマンスを出せるようにとは監督も前に言っていた」
―東欧遠征のように選手同士で話し合ったのか?
「選手同士でミーティングはしていない。個々で話はしているけど。そういうのが必要ないのが一番いい状態だし、必要があればやるけど、10月にうまくいかなかったので、今回は危機感を持って練習からやれていた」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―ベルギーの印象は?
「個々の能力は高いし、ダイレクトにゴールに行くイメージ。前の選手はドリブルもうまいので、中も外も準備をしないといけない。シンプルに(クロスを)上げてくるときもあるので、中も外もケアしないと。ただ、オランダ戦でロッベンに決められたような形は避けたい。外から入れるボールをうまく跳ね返せればいい」
―オランダ戦の反省は?
「勝つチャンスがありながら引き分けたので、そこは反省しないといけない。ただ、(オランダとベルギーは)スタイルが全然違うので、相手にもよる。オランダ戦では前半はうまくプレスがハマらなかったが、そういう時間も(失点)ゼロで我慢しないといけない」
―ゴリゴリタイプのFWに対しては?
「基本的にはベタ引きすると、攻撃に行くときにかなりのパワーを使ってしまう。相手がフィジカル重視であれ、前から行った方がいい。ロングボールを蹴ってきたときは裏を取られないように注意しないといけないが、最終ラインも、怖がらずに高い位置を取る必要がある」

●DF内田篤人(シャルケ)
―アザールとマッチアップしそうだが?
「CLでやっているのでイメージはできている。相手のシステムを見ると、(アザ―ルとは)ガッツリ1対1になるけれど、中に入ってきたりするので、サイドアタッカーというよりはゲームを組み立てる役割をしてくると思う。そこをどう対応するか」
―中へ入ってきたらどう対応する?
「中へ入ってきた場合は中とボランチ、CBとの関係(で守備をする)だけど、全部中に入ってきたらどこで(マーク)を離すのかというタイミングが大事になってくる」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
「強い相手とやる中で、難しい時間もあるし、いつも(守備が)ハマるわけじゃない。耐えないといけない時間も出る」
―ベルギーはオランダと違ってシンプルに蹴ってくることもあるが?
「日本はフィジカルを重視してくるチームに対して弱さが出てしまうところがある。それを体験するにはいい対戦相手だと思う。ルカクかベンテケか、どちらが出てくるか分からないけど、彼らはプレミアリーグの中でもフィジカルが強いほうだし、それをいかにチームで抑えることができるかが大事になる。1対1が続くのは厳しいし、チャレンジ&カバーを徹底しないといけない」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
―ルカクの印象は?
「裏に抜ける強さがあるし、チーム自体に前に行く強さがある。出どころを一人ひとり抑えることが大事だし、ボールが出てきたときには自分が抑えることが大事」
―年内最後の試合だが?
「オランダ戦はチームとしていい戦いができた。それを続けないと意味がない」
―このスタジアムはリーグ戦でも使っている?
「リーグでは使ってません。(プレーするのは)初めてです」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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