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優勝遠のく痛恨の敗戦…浦和は苦手・川崎Fに屈する

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[11.23 J1第32節 浦和1-3川崎F 埼玉]

 J1第32節が23日に各地で行われ、2位浦和レッズは、6位川崎フロンターレをホームの埼玉スタジアム2002に迎えた。ナビスコ杯準決勝の再戦となった同カードは、前半12分にセットプレーからDFジェシのヘディング弾で川崎Fが先制。1点のビハインドで後半に入った浦和は、同12分にDF槙野智章のゴールで試合を振り出しに戻すも、2分後にはオウンゴールから再びリードを許す。猛攻を仕掛けるも2点目が遠い浦和は、アディショナルタイムにはFW大久保嘉人に今季25点目を献上し万事休す。7試合ぶりの敗戦を喫し、首位横浜FMとの勝ち点差は「4」に開いた。

 2シーズンリーグ戦で川崎Fに勝利していない浦和。2週間ぶりの公式戦となる今試合では、MF鈴木啓太が出場停止明けから復帰し、前節の仙台戦(3-3)で1得点を挙げたMF梅崎司がベンチにまわった。

 対する川崎Fは、20日に行われた天皇杯4回戦、山形戦(2-0)から3人スタメンを変更。MF中村憲剛、MF稲本潤一、DFジェシの3選手が、第30節鹿島戦以来約1か月ぶりにスタメンに復帰した。

 得点力1位(62得点)の浦和と、同2位(60得点)の川崎F。序盤からデータに違わぬアグレッシブな試合展開となった。両チームとも相手陣内からプレスをかけ、互いにパスサッカーを封じに出る。すると浦和ペースに流れは傾く。前半10分、MF柏木陽介のスルーパスにMF原口元気が走り込むが惜しくも合わせることはできなかった。

 しかし、先にスコアを動かしたのは川崎Fだった。浦和陣内でボールを奪った川崎Fは、手数をかけずにゴールに向かうと、FWレナトのパスから中村憲剛が強烈なミドルシュートを放つ。これはGK山岸範宏がタッチラインに逃れるが、そのCKで中村憲剛のボールをジェシが頭で合わせて川崎Fが1点をリードする。

 リードを奪われたものの浦和の優勢が変わらない。19分には柏木のスルーパスに反応したFW興梠慎三が右足で合わせるが、GK西部洋平が好守を見せて得点を許さない。

 最終ラインを高く設定し、FWからDFまでをコンパクトに保つ川崎Fに対し、浦和は興梠へ効果的な縦パスを入れることができず、ボールは保持できるもののチャンスをつくることができない。サイドから攻める浦和は、平川のグラウンダーのボールを原口がダイレクトで落として柏木がシュートを撃つが、川崎F守備陣に跳ね返されてしまった。

 前半終了間際には川崎Fに2度目の決定機が訪れる。GK山岸からのボールを川崎Fがヘディングで跳ね返すと、ボールは前線に残っていた中村憲剛の下へ。そのままPA内まで持ち込んでマイナスのボールを送り、中央の大久保に合わせるが、シュートはゴールポストを直撃し、追加点とはならなかった。

 0-1で後半に入った浦和。猛攻が実を結んだのは同12分、左サイドからドリブルで切り込もうとした原口からのボールを受けた槙野の右足で、ついに同点に追いつく。

 平川に代えてMF関口訓充を投入し、より攻撃的なメンバーにシフトした浦和。ところが同点弾が生まれた2分後に、思わぬカタチでスコアが動く。レナトのパスを受けたDF登里享平がPA内に侵入し中央にグラウンダーのパスを入れると、ボールはクリアしようと伸ばした槙野の足に当たってコースが変わり浦和ゴールのネットを揺らす。

 再びリードを許した浦和は、MF宇賀神友弥に代えてMF梅崎司、DF森脇良太に代えてMF山田直輝を入れて前線に人数をかける。両サイドからボールを入れ、何度もゴール前のシーンをつくるが、ゴールは遠い。前がかりになる浦和に対し、大久保、レナト、中村憲剛がカウンターをしかけるもチャンスをものにできない川崎Fだったが、後半アディショナルタイムに大久保の公式戦3戦連発弾で3-1と突き放すと、そのまま試合終了。

 同時刻に行われている試合で首位横浜FMが勝利したため、残り2節で浦和との勝ち点差は「4」に。この敗戦で優勝は厳しい状況に追い込まれた。川崎Fは優勝の可能性は消滅したが、勝ち点を54に伸ばし、ACL出場権を得られる3位まで勝ち点差「3」に迫っている。

(取材・文 奥山典幸)

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