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反撃の同点弾、直後にOG…「内容より結果」が欲しかった浦和DF槙野

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[11.23 J1第32節 浦和1-3川崎F 埼玉]

 決勝で敗戦した3日のナビスコ杯では「内容にこだわった」と語っていた浦和レッズのDF槙野智章だったが、この日の敗戦には「内容より結果」と唇をかんだ。

「内容だけ見れば自分たちのサッカーができていたと思いますけど、(優勝争いをしている)この時期は内容ではないですし。結果の部分にこだわって勝ち点3をとれればよかった」

 圧倒的な攻撃力と比例するように失点もかさんでいる浦和。この日も前半12分に、セットプレーからあっさりと先制を許した。「前節も入り方が悪かった」(槙野)。前節・仙台戦(3-3)でも開始2分で先制点を献上しており、この試合でもその“悪癖”は顔をのぞかせた。しかし、「焦りはなかった」という槙野の言葉どおりに浦和が攻め続けると、後半12分には果敢にオーバーラップを仕掛けていた槙野が同点弾をたたき出す。MF原口元気がスペースに出したボールを槙野が受けると、右足から今季6点目を挙げた。

 ところが、その2分後には槙野のクリアが味方ゴールネットを揺らしてしまう。槙野がさわらなければその後ろにはFW大久保嘉人がつめていたため、仕方のないオウンゴールだった。そして、この失点に対して下を向く浦和の選手は一人もいなかった。問題は、その後の30分間を無得点で終わってしまったところにある。川崎Fも3点目のチャンスをことごとく逃していただけに、2点目、3点目を奪って逆転することはできたはずだった。「うちは1点取られたら、2点、3点取り返す攻撃力がある」と言う槙野の言葉とは裏腹に、ゴールは遠かった。

 同時刻に行われた試合で首位横浜FMはきっちり勝ち点3を手にしたのに対し、2位浦和をはじめ、3位広島、4位鹿島が揃って敗戦。この結果、首位横浜FMと2位浦和の勝ち点差は「4」に広がった。横浜FMは、残るは2節のうち1勝すれば自力で優勝することができる。それでも槙野は諦めていない。「残り2試合、マリノスの結果次第ではありますけど、サポーターにシャーレ(優勝銀皿)を渡してあげたいという想いは強いので。まだまだ終わってはいない。僕たちは最後のところまでもつれると信じている」。奇跡の逆転Vに向けて、槙野は前を向いていた。

(取材・文 奥山典幸)

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