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先制弾も実らず…湘南MF高山「『たら』『れば』が残っている」

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[11.23 J1第32節 F東京2-1湘南 味スタ]

 残り3節を全勝したうえで、ヴァンフォーレ甲府の結果待ち。今季J1に昇格したばかりの湘南ベルマーレの残留は、かなり厳しい状況だった。迎えた23日のFC東京戦でも、湘南は自分たちのスタイルにこだわり、最後まで勇敢に戦った。

 前半からF東京にボールを握られる中でも、必死に最終ラインで耐える。後半21分にはMFハン・グギョンの折り返しをMF高山薫がゴールに決めて、先制点を挙げた。「今日は、点を取るつもりというか、点に絡むつもりで試合に入れたので、それが点につながったのかもしれません」と、高山は振り返る。

 しかし、その2分後には攻撃参加したDFチャン・ヒョンスにゴールを決められて、追いつかれてしまう。そこから勝ち越し点を目指して前掛かりになった湘南だったが、逆に後半ロスタイムに速攻からMFネマニャ・ヴチチェヴィッチに2点目を決められ、J2降格が決まってしまった。

 試合後、高山は「他力ではありましたが、J1に残れる可能性があっただけに悔しいです」と唇を噛む。昨シーズン、J2で2位になった湘南だが、今季は開幕から第6節の大分戦まで未勝利と苦戦を強いられた。「J1で最初にプレーしたときは、ボールも思ったように収められなかったし、J2のときとはメンタル的にも違いがあったと思います」と、高山は認める。それでも「徐々に縦パスとかも入れられるようになってきたし、決定機も1試合の中で、何回もつくれるようになった」と、チームとしても、個人としても、成長を実感できていたという。だからこそ、悔しさは募る。

「その中で、自分にはチャンス(決定機)があったし、自分が決めていたら勝てていたという試合が、何度かありました。個人として、そこを決めていたらもっと違っていた結果になっていたのかなと思いますし、チームとしても『決めていたら』という、『たら』『れば』が残っています。『もう少し点が取れたな』というのが残っていることが、自分に対して残念です。それはもう、練習あるのみですね」

 J1という舞台について「サポーターが多いクラブがたくさんありますし、学生のときとか、テレビで見ていた選手がたくさんいる。J1はそういうところで、自分が同じピッチに立ってやれていることで『プロになったんだな』と思えました」と言う高山だが、現時点では湘南に残り、J2で戦うつもりのようだ。

「湘南は、自分がダメなときに獲ってくれて、試合にも出してくれた。もともとFWとかやっていたのが、サイドで見出してもらった。そういう恩のあるクラブで、やり甲斐もありますし、湘南のサッカーが好きなんで。そんな感じです」

 まずは今シーズンの残り2試合でJ1での戦いを身に刻み、再びこの舞台に立つことを目指す。

(取材・文 河合拓)
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