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[関西1部]指揮官「ほんとによく頑張ってくれた」大阪体育大、24年ぶりの関西制覇

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[11.24 関西学生リーグ1部後期第10節 大阪体育大3-2びわこ成蹊スポーツ大 J-GREEN堺]

 24日、第91回関西学生サッカーリーグ1部後期第10節の大阪体育大対びわこ成蹊スポーツ大戦が、J-GREEN堺(大阪)で行われた。首位・大体大は3-2で4位・びわこ大を下し、24年ぶりのリーグ優勝を決めた。

 直前の試合で勝ち点3差の2位・阪南大が引き分けたため、勝てば優勝が決まる大体大と、インカレ出場へ4位を死守するべく臨んだびわこ大の一戦は、互いの闘志が激しくぶつかり合う試合となった。前半18分、MF山本大稀(4年=米子北高)の右サイドからのFKを、ニアでDF坂口豪(3年=C大阪U-18)が頭で合わせ、大体大が先制点を奪う。その後、両チーム共に攻め込むも決定機を作れなかったが、42分だ。びわこ大MF矢澤貴文(4年=滝川二高)が中央からドリブルで持ち込み、大体大の守備陣がボールウォッチャーになったところでPA内のFW三輪優平(3年=神戸U-18)にラストパス。三輪が冷静に流し込み、同点に追いついた。

 追いつかれた大体大だが、焦りはなかった。後半15分、DF坂本修佑(3年=初芝橋本高)の中盤からのFKをびわこ大のDFが弾いたところにMF山田貴文(3年=日章学園高)が詰め、ワントラップからシュート。これがゴール右隅に突き刺さり、山田の今季初ゴールで大体大が勝ち越した。

 さらに23分には、相手のパスをカットしたDF山口幸太(3年=四日市中央工高)が一気にドリブルで中央を駆け上がり、右サイドからゴール前に走り込んだFW伊佐耕平(4年=神戸科学技術高)にパス。伊佐はそのままシュートを狙うと見せ、エンドライン際から中央に走り込んだFW大城信博(3年=奈良育英高)に流す。これを大城が右足で押し込み3点目を追加した。終盤にびわこ大はDF曽根田穣(1年=愛媛ユース)のパスをMF加藤大樹(3年=立正大淞南高)が突き刺すも、逆転出来ず。大体大が3-2で勝利した。

 試合後、優勝トロフィーを手にした大体大のメンバーは応援団の下に駆け寄った。部員が200名を超える大体大の中でメンバーに入れるのは一握りだが、毎試合熱い声援を送り続けた応援団と喜びを分かち合った。そして、その優勝の歓喜の中、坂本監督が宙に舞った。

 24年ぶりのリーグ戴冠。坂本監督は開口一番、「まだインカレの舞台があるし、あくまでこれは関西の予選ですから」と前置きしながらも「ほんとによく頑張ってくれたと思います」と相好を崩した。昨年、最終節まで残留争いに巻き込まれた大体大。そのため、指揮官が「去年あれだけ苦しい思いしたんだから開き直ってやろうやと。今年は今までやってるサッカーをもう1回徹底してやろう。つまり積極的な守備からやろうとした」と振り返ったように、今年は徹底した守備を中心に取り組んできた。「守備でボールが取れたら、伊佐と澤上いるから点は取れるからと」。その言葉通り、伊佐とFW澤上竜二(2年=飛龍高)の2トップはチームの総得点数の半分を叩き出した。「みんなちゃんと役割を理解してくれて、やったんじゃないかなと思う。前線が生きたのはDF、中盤が守備を頑張ったからで、そういう意味ではチームになったかなというかな」と選手を称えた。

 また、夏以降守備陣に怪我人が続出し、最終ラインが揃わない苦しい時期もあったが「交代で何とか入っても見劣りしない選手が出て来た。後ろの方で1年生あたりが頑張りだしたので」と坂本監督が話すように、結果的にチームの底上げとなり、リーグ制覇に繋がった。

 最終節はまだ残っているが、既にインカレへのラストスパートも始まっている。「関東はレベル高いですからね。関東だけじゃなくてね、色んな地域のレベルも上がってますんで。そういう意味じゃ初戦突破することが1番の課題ですね」と指揮官は気を引き締めた。次は全国の舞台での頂点を目指すべく、1戦1戦を戦い抜く。

(取材・文 北野裕子)
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