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敵将も脱帽のビッグセーブ連発、京都GKオ・スンフンは古巣との決勝へ闘志

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[12.1 J1昇格プレーオフ準決勝 京都0-0長崎 西京極]

 敵将も脱帽するしかなかった。スコアレスドローでJ1昇格プレーオフ決勝進出を決めた京都サンガF.C.。その立役者は間違いなくGKオ・スンフンだった。

 引き分けでも決勝進出となる京都と、勝たなければ昇格の夢が断たれる長崎。0-0で後半に折り返すと、長崎が攻勢を強め、京都は何度も決定的なピンチを招いた。しかし、そのたびにオ・スンフンが立ちはだかる。後半29分、30分と連続して与えたCKのピンチを鋭い反応で弾くと、同38分にはMF神崎大輔のシュートを右手1本でかき出した。

「3本、ピンチを止めて、チームに貢献できたのはうれしい。時間が経つにつれて運動量も集中力も落ちてくる。そういうときにああいう局面を迎えて、自分は集中力を切らさずに対応できた。そこは自分でも評価できるところだと思う」

 そう胸を張る京都の守護神を長崎の高木琢也監督も「今日は本当にオ・スンフンを100%ほめるべきだなと思う」と、手放しで称えるしかなかった。試合内容では長崎が上回っていた。しかし、最後までオ・スンフンの牙城を崩せなかった。

 高木監督の言葉を報道陣から伝え聞いたオ・スンフンは「勝ったときはみんなで勝ったと思うし、負けたときはみんなの力が足りないから負けたと思う。あまりそうは言われたくない」と意に介さない。「難しい試合だったけど、みんなで勝てた。次の試合も国立で勝てるようにがんばりたい」と、チームとしてつかんだ結果だと力説した。

 8日に東京・国立競技場で行われるJ1昇格プレーオフ決勝では徳島と対戦する。オ・スンフンにとっては、韓国の湖南大学校から10年に入団し、昨季まで3シーズン所属していた古巣との最終決戦となる。「自分が前に所属していたチームだけど、勝負は勝負。しっかり勝って、J1に上がってみんなで笑いたい」。決勝も引き分けなら年間順位で上位の京都が勝者となる。オ・スンフンが失点しなければJ1昇格が決まる。京都の命運は、まさにその両手が握っている。

(取材・文 西山紘平)

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