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長崎・高木監督「選手にはありがとうの言葉しかない」

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[12.1 J1昇格プレーオフ準決勝 京都0-0長崎 西京極]

 V・ファーレン長崎の“大航海”はJ1昇格プレーオフ準決勝で終焉を迎えた。J2昇格初年度で旋風を巻き起こし、6位で昇格プレーオフ出場権を獲得。この日も京都を相手に内容で上回る試合を見せたが、1点が奪えず、スコアレスドローで敗退が決まった。

 就任1年目でチームを躍進させた高木琢也監督は「選手はこの1年間、本当によくやってくれた。これまでやってきたことを今日もピッチで出してくれた」と選手をねぎらい、「京都の牙城を崩せなかった。京都らしいなというか、戦国(時代)でも京都はなかなか落ちない。最後のところの強さを感じた」と、相手を称えた。

 悔しくないはずがない。「悔しい部分もあるし、選手ががんばってくれた充実感もある。点を取れなければ勝てなかったわけで、そこは悔しい」。前線からのハイプレッシャー、球際の厳しさ。立ち上がりから長崎らしさを前面に押し出した選手たちは最後まで運動量を落とさず、戦い抜いた。

「後半に向けて選手には『もう10%、15%を出さないと点を取れない』と話した。そのとおりに選手は出してくれたのに点が取れなかったのは僕の責任。選手にはありがとうの言葉しかない」。選手のハードワークを称え、自らを責めた。

 限られた戦力で戦ってきた。相手よりも走り、相手よりも戦う。だれにでもできそうで、できないサッカーの原点を貫き、J1昇格まであと一歩のところまで迫った。だからこそ課題も鮮明だ。

「野球で言えば、ホームランバッターというか、3番、4番、5番を打てる選手がいなかった。そこはチーム全員で補ってつくっていくが、もう少しそういう選手がいれば、また違ったことができるのかなとも思う」。だが、選手層を言い訳にするつもりもない。

「プレシーズンからポゼッションに時間をかけてきた。それで点が取れた部分もあるが、ポゼッションをすれば相手は帰陣してしまう。間違ってはいなかったが、パスが2本、3本多いなら、そこを削って早く攻めることを優先したほうがいいかもしれない。そこは使い分け。今後は時間をかけずに攻めることも考えていかないといけない」

 高木監督の頭には、さらに進化したチームの姿がハッキリと描けている。J2昇格1年目のシーズンは終わった。しかし、長崎の挑戦はまだ始まったばかりだ。

(取材・文 西山紘平)

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