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[関西1部]危機感持って戦った関西大が4位死守、インカレ出場権獲得!

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[11.30 関西学生リーグ1部後期第11節 関西大2-0大阪産業大 J-GREEN堺]

 11月30日、第91回関西学生サッカーリーグ1部後期最終節の4位・関西大対6位・大阪産業大戦が、J-GREEN堺(大阪)で行われた。勝ち点36で5位のびわこ成蹊スポーツ大と並ぶ関大は、全日本大学選手権(インカレ)出場圏内4位を死守するためには勝利が必須条件だったが、2-0で勝利。翌12月1日にびわこ大が敗れたため、最後のインカレ切符を掴み取った。関西地区第4代表としてインカレに出場する関大は、12月14日に岩手大(東北2)と初戦を戦う。

 苦しんだ今季のリーグ最終戦を、笑顔で締めくくった。今年はなかなか歯車がかみ合わなかった関大。「ほんとに苦しかった。前期の最初に3連勝したけど、3連勝した気がしないっていうか。ほんとに何か勝っても内容的には負けてるんじゃないかってくらいの勢いで」とDF前田晃一(4年=金光大阪高)が振り返ったように、勝利にも手応えを感じられない試合が続いた。

 毎試合、先発の顔ぶれが変わることが多かった今季。島岡健太監督が「こうしたら機能するのかな、あ、機能せんのかなって言いながら1年来たなというのが正しい」と言うように、”チームとして機能する”ことを第一に試行錯誤してきた。それを体現出来たという関西選手権の決勝は大阪体育大を下して連覇を果たしたものの、前期の終盤にリーグ戦で3連敗。順位も6位まで落ちた。ただ「それからですかね。ほんとに危機感を感じてやっていこうってなりました。それが後期の4位まで上げてくる原動力というか、そういうところに繋がったんじゃないかと思う」という前田の言葉通り、苦しい時期を乗り切った結果がインカレに繋がった。

 勝利必至の中で迎えた最終戦も、苦しみながら勝利を手にした。攻撃が手詰まりし、前半はゴールをこじ開けることが出来なかったが、試合を決めたのは後半の2発。後半9分、バイタルエリアで自ら仕掛けたFW原口拓人(3年=G大阪ユース)が倒され、FKを獲得。これをMF和田篤紀(3年=神戸U-18)が直接決め、先制点をあげる。

 さらに31分には、カウンター攻撃で追加点。中盤でボールを拾ったMF篠原宏仁(2年=柏U-18)がドリブルで一気に駆け上がり、PA内で左サイドに走り込んだMF佐々木周(4年=奈良育英高)にパス。佐々木が落ち着いて流し込み、2-0とした。大産大に得点を許さず、完封勝利で最終戦を終えた関大はびわこ大に得失点で9差をつけたため、この時点でインカレはほぼ確実に。翌日のびわこ大の結果を待って、正式に関西4位でのインカレ出場が決定した。

 敗れた大産大は、今季を6位で終えた。関大、びわこ大との勝ち点差は3と、インカレも見えていただけに涙の敗戦となった。4年連続で10位と残留争いを戦ってきたが、今年はDF満生充(4年=大阪桐蔭高、前・水戸ホーリーホック)、MF江口直生(4年=大阪桐蔭高)といった中心の4年生に加え、新たに加わった1年生が躍動。順位を大きくあげた。全コーチは「今年はJを目指してやろうっていうのを新しく打ちだして、意識高めてやろうっていう話をした。去年も一昨年も良いチームだったけど、上を目指してやっていくっていうのはもう愕然と変わったと思う。それに下の子らもついていったし、つらい練習も厳しい練習も文句1つ言わずにやってきたっていうのは、やっぱりチームを良い集団にするための糧というか材料だった」と振り返った。

 満生を筆頭に、熱い気持ちを全面に押し出して戦ってきた大産大。「やっぱりサッカーは感情を出してこそだと思うんで。それを全面的に出しながらね。観客に負け試合でも引き分けでもやっぱり感動を与えられるようにやっていかないと。自己満だけででは終わってはいけない。そういうチーム作りをまた目指していきたい」と来季を見据えた。

(取材・文 北野裕子)
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