beacon

PK失敗を後輩にカバーしてもらったFW木島「来年、借りを返します」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.8 J2・JFL入れ替え戦第2戦 鳥取0-1讃岐 とりスタ]

 危うく戦犯になりかけた。8日に行われたJ2・JFL入れ替え戦に臨んだカマタマーレ讃岐は、前半18分に決定的なチャンスを得た。「第1戦でスカウティング通りの戦いができていたし、選手たちも自信を持っていた」と北野誠監督が振り返るように、讃岐の選手たちは立ち上がりから、ガイナーレ鳥取の3バックの両脇にあるスペースを狙った。

 そして18分、ロングボールを受けたFW木島良輔がPA内でGK杉本拓也に倒され、讃岐はPKを獲得する。この場面について木島は「(最終ラインの)3枚が、あまり速くないので、そこらへんに関しては『出してくれれば行ける』というのがありました。練習の時から要求をし続けてきました。そしたら、たまたま1試合に1本、来るか来ないかというボールが来ましたね」と言い、「でも、PKを取って、外しているようじゃダメですね」と、自分にダメ出しした。

 PKを獲得するまでは思い描いたようにプレーできた木島だったが、PKの場面は、イメージ通りにはいかなかった。助走に入った木島は、途中で一度、足を止めた。しかし、GK杉本は微動だにしない。次の瞬間、木島が右に向かって放ったシュートは、コースを読み切った杉本の懐に収まっていた。

「(GKが)動くか、動かないかだけを見たかったんです。そうしたら、まったく動かなくて。だから、自分が決めている方に蹴ろうとしたら、そのタイミングで動かれたので『ここで動いたか』と思って、ああいうシュートになってしまいました」

 このPK失敗について、帝京高の後輩でもあるFW高橋泰は「ふざけんなと思いましたよ」と笑い飛ばした。それでも、PK獲得までの動きについては「本当に特徴が出ていたプレーだったし、あれでラクになった」と、練習からやってきたプレーが出たことで、プレッシャーから解放されたことを明かした。その2分後、高橋は決勝点を決めている。

 高橋のコメントを伝え聞いた木島は「やばいね。後輩に気を使ってもらっているね。来年、借りを返します」と白い歯をこぼし、チームメイトの待つバスに乗り込んだ。

(取材・文 河合拓)
▼関連リンク
J2・JFL入れ替え戦LIVE速報

TOP