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徳島の大卒ルーキー藤原、F東京U-18時代の同期の前で攻守に躍動

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[12.8 J1昇格PO決勝 京都0-2徳島 国立]

 大卒ルーキーが大一番で大仕事をやってのけた。徳島ヴォルティスは1点リードの前半43分、自陣からDF藤原広太朗が前線にロングフィード。FW高崎寛之が頭でそらしたボールにFW津田知宏が走り込み、右足ダイレクトでゴールネットに突き刺した。

「ツーくん(津田)からは『裏に蹴ってくれ』と言われていたし、もともとCBなので、フィードは得意なほう。それが久しぶりに出た。ツーくんが裏に抜けて、ヒロくん(高崎)が足元に下りてきたのは見えていた。ヒロくんもうまくそらしてくれた。監督も『向こうのCBは裏に弱い』と言っていたし、それがうまくハマった」

 2-0と突き放す貴重な追加点が徳島に余裕を生み、京都に焦りを与えた。後半は必死の反撃に出る京都に押し込まれる時間が続いたが、守備陣が体を張って耐え続けた。後半34分にはFW三平和司のシュートを藤原がゴールライン上でクリア。「(GKの松井)謙弥くんが出ていったので、だれかがカバーしないとと思った。自分がフリーだったので後ろに入ったら、たまたまボールが来た。相手も、カバーに入っていない感じでシュートを打ってきたので」。絶体絶命のピンチを救うファインプレーだった。

 F東京U-18出身の藤原は立命館大をへて今季、徳島に入団した。ルーキーイヤーの最初は「チームの目標より、A契約になりたいとか、個人的な目標のほうが大きかった」と言う。しかし、故障者の影響もあり、リーグ戦では全42試合に先発出場。「試合に出ていく中で、チームのことも考えられるようになった。プレーオフ圏内に入ったラスト数試合はチームの目標に向かって戦えた」。今月1日の昇格プレーオフ準決勝・千葉戦(1-1)もフル出場。この日も攻守に活躍し、チームのJ1昇格に大きく貢献した。

 J1に挑む来季は、やはり下部組織でプレーしたF東京との試合に対して特別な思いがあるようだ。「今年はヴェルディと対戦するときに思い入れがあった。今年のヴェルディ戦で初めて味スタでもプレーした。来年、東京と対戦するときは国立より味スタでやりたい」。この日はF東京U-18時代の同期でもあるMF三田啓貴(F東京)も応援に来ていたという。「同期の前で、いいプレーができてよかった」。そう笑った藤原は元チームメイトとの対決が今から待ち遠しい様子だった。

(取材・文 西山紘平)

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