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初のベスト11選出も最終節を悔やむ大迫「終わり方が…」

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 Jリーグは10日、横浜アリーナで「2013 Jリーグアウォーズ」を開催した。初のベストイレブンに選ばれた鹿島アントラーズのFW大迫勇也は受賞スピーチで「鹿島アントラーズのチームメイトのみんな、監督、スタッフに本当に感謝したいです」と挨拶し、感謝の言葉を述べた。

「緊張しました」。式典後に報道陣の取材エリアに姿を見せた大迫は「何をしゃべっていいか分からなかった。台本が欲しかった」と苦笑いを浮かべた。今季は33試合に出場し、19ゴール。シーズン序盤はFWダヴィと2トップを組むことが多かったが、後半戦は主に1トップでプレーし、得点を量産した。

「単純に1トップをやらせてもらって、前に俺しかいない場面が増えるから、自然とみんなが自分を見てくれるようになった」。これまでの自己記録は昨季のシーズン9得点。大幅に記録を塗り替えることになった要因を冷静に振り返る鹿島のエースは「内容の濃い1年だった」としながらも、「ちょっと終わり方が悪かった」と、やはり最終節が悔やまれるようだった。

 わずかながらに逆転優勝の可能性も残していた7日の広島戦。前半アディショナルタイム、相手のカウンターになりそうな場面でDF塩谷司を後方から追いかけた大迫は思わず引っ張って倒してしまい、2枚目のイエローカードで退場になった。「止まれなかった、あの場面は」。苦々しく退場のシーンを振り返り、目の前で広島に優勝を決められたことについても「屈辱だった」と唇をかんだ。

「来年は大事なシーズンになる。もっとレベルアップしないと」。鹿島でのタイトル獲得とともに、ブラジルW杯の日本代表メンバーに入ることも大きな目標の一つだ。「ゴール前でどれだけ仕事をして、どれだけボールに触れるかで、ゴールできるかが変わる。ゴール前で今まで以上に仕事の量を増やしていきたい」。得点感覚にさらなる磨きをかけた2013年シーズン。鹿島を引っ張る存在に成長したストライカーは、日本代表にとってもブラジルW杯の切り札となるはずだ。

(取材・文 西山紘平)

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