beacon

[プレミアリーグ参入戦]合計8ゴール!星稜が盛岡商との打ち合い制す!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.14 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 星稜高5-3盛岡商高 広島広域公園第一球技場]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2013プレミアリーグ参入戦1回戦、星稜高(北信越1、石川)対盛岡商高(東北2、岩手)戦が14日、広島広域公園第一球技場で行われた。両チーム合計8ゴールという打ち合いとなったが、星稜が後半終了間際の2ゴールによって粘る盛岡商を5-3で振り切り、2回戦へと駒を進めた。

 立ち上がりはお互い様子見の展開だったが、徐々に星稜がボールを保持し、決定機を多くつくり出した。そして28分、この日再三良いクロスボールを上げていた星稜右SB森下洋平(3年)のクロスボールを、FW轡田葵左(3年)がヘディングで落とし、最後はMF川森直威(3年)が左足でゴールに押し込んで先制した。

 その後も星稜がボールを保持する時間が続き、このまま前半終了かと思われた45分、盛岡商はMF工藤大輝(2年)のクロスボールを受けたFW大澤玲央(2年)が粘ってボールキープ。そしてパスを受けたエースストライカーFW根子裕将(2年)が落ち着いて右足でシュートを決め、盛岡商が同点に追いついた。

 後半、星稜は攻撃の勢いを強める。12分、DF水口達貴(2年)の直接FKから森下がヘディングシュートを決めて追加点。さらに20分には途中出場のFW仲谷将樹(3年)が豪快にミドルシュートを決めて3-1とし、試合は決まったかに見えた。

 しかし2点リードした後、守りに入った星稜に対し、盛岡商が攻撃の勢いを強めた。34分、MF吉田廉(2年)のCK後、ゴール前で混戦となり、最後はDF高橋周平(3年)がゴールに押し込んで1点差に詰め寄ると、直後の36分にはまたもCKのこぼれ球を拾ったDF澤口貴浩(2年)が右足で放ったミドルシュートがゴールへ突き刺さり、ついに3-3の同点とした。

 終盤、4点目を両チーム共積極的に取りに行ったが、ゴールを挙げたのは星稜だった。45分、CKのこぼれ球を星稜の選手は何度も拾って波状攻撃で次々にゴールを狙い、最後はMF藤田峻作(3年)の放ったシュートが決まった。アディショナルタイム突入後の47分には星稜MF前川優太(2年)が直接FKを決めてダメ押し。5-3で星稜が打ち合いを制した。

 星稜の河崎護監督は「この時期は良いところも悪いところも出るので修正していく時期。テスト明けだし、まだ完璧は求めていない」と語る通り、高校選手権に向けての調整途中で、DF寺田弓人(3年)やMF寺村介(3年)を欠く中で勝利をおさめたことに安堵していた。「打ち合いのゲームをやれたのは選手権に向けて良い経験になった」とこの日キャプテンマークを巻いた森下も結果をポジティブに捉えていた。後半2点リードした後、盛岡商の攻撃の勢いに押され「前半の失点1が下手だなあ、と思った。あと、3-1になってリードを広げたにも関わらず、ポゼッションができなかったことが課題」と河崎監督は振り返ったが、試合全体としてはボールを保持し、盛岡商守備陣のギャップを次々に突く星稜の狙い通りのサッカーはできていたと言えるだろう。

 盛岡商は2度追いつくも残念ながら勝利に結びつかなかった。それでも太田浩史監督は「全国でやっているチームはしたたかで要所を押さえてくる。ただ、自分たちの良さも多少出せた。ボールをつないできて獲れた時、速く縦に入れたり、サイドを変えたりはできた」と語り、盛岡商の伝統である縦に速い、破壊力のある攻撃を存分に出せたことを前向きに捉えていた。出場選手の多くが1~2年生という若いチームであることも、今後に期待を抱かせる。齋藤重信総監督も「さらに良い1年生が入ってくるので来年、再来年が楽しみ」と語る。青森山田セカンドが今大会に出場できないため、東北3位での出場となった盛岡商だが、「繰り上げだったが良い経験になった」と語る太田監督。来年以降につながる敗戦と言えるだろう。
 
(取材・文 小林健志)
▼関連リンク
2013プレミアリーグ

TOP