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[MOM916]市立船橋FW田山栄次(3年)_交代出場の3年生FWが市船救う劇的V弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 大阪桐蔭高 0-1 市立船橋高 Eスタ]

「マサ(石田雅俊)が途中で退場して苦しい展開だったけれど、みんなが絶対に勝とうと言い合っていた中で点を決められて凄く嬉しかったです」。公式戦では前期の八千代戦(7月)を最後にゴールのなかった3年生FW田山栄次が劇的ゴールで市立船橋を救った。延長戦突入が濃厚と見られた後半45分、MF室伏航の左CKに対して田山はニアサイドへ飛び込む。「たまたま(飛び込んだところへ)ボールが来た。セットプレーは強い方ではなくて、練習でも競る方の役割ではないんですけど、当てるだけでした」というFWの一撃がゴールを破り、名門に歓喜をもたらした。

 出場時間は10分ほどの試合が多かった田山だったが、この日は後半開始から出場。1トップとして失うことなくボールを収め、スペースへのパスで得点機の起点にもなった。「監督にも運動量と切り替えで勝負してこいと言われて。いつも緊張するんですけど。きょうは全然緊張せずに入れた」というFWは石田退場後に2列目に下がっても積極的なディフェンスでチームに貢献する。そして劇的ゴールでヒーローになった。

 課題は積極性だった。「自分はあまり上手くなくて(室伏)航とか(横前)裕大に合わせてプレーすることが多かったんですけど、きょうは自分から発信することもできたと思います。これまでは自分の色を出せなかったり、消極的にプレーすることが多くて。監督からも言われていたけれど、あまり自分性格を変えることができなかった。今はがむしゃらにプレーすることが大事だと思っている。今後も積極的にプレーしたい」。意識していたファーストタッチが練習からうまくいき、積極性でもアピールができていた。

「栄次はここに来て意地見せたし、あのヘディングは気持ち入っていたし、感動的でしたね」と朝岡隆蔵監督。「彼は上手いんですよ。オフ・ザ・ピッチのところで凄く人間関係をつくれている。あの子はスッと試合に入れるので、周りもストレスを感じない。きょうボールも凄く収まっていたし、彼が一本立ちできればなと思いますね」と指揮官は、高校選手権も控えるチームの1トップ候補として期待していた。

 田山は「時間が少なくても自分の色を出せるようにプレーしていきたい。ゴール前の泥臭いプレーとか、自分はきれいなプレーではなくて身体を張るプレーが持ち味。苦しい時に決められる選手になりたいと思っていた。これまではシュートへ行く回数も少なかったけれど、次の試合も選手権でも苦しい時に点を取れる選手になりたいと思います」。この劇的なゴールによって自信をつけ、今後チームの中でその存在感を高めていく。

(取材・文 吉田太郎)
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