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[MOM274]阪南大MF泉澤仁(4年)_インカレ優勝→MVP獲得→大宮入り。FW富山貴光を追うドリブラー

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[12.15 全日本大学選手権1回戦 阪南大1-0高知大 味スタ西]

 スタンドに陣取っていた高知大の応援団は、とてもとても分かりやすい声援をピッチに送り続けた。たとえば、全身赤のユニフォームを着た同校の選手たちには「赤、頑張れ! 赤、頑張れ!」と叫んだ。そんな彼らが目の色を変えて「止めろ、止めろ、そいつを止めろー!!」と叫んだ選手が、阪南大の左サイドにいた。大宮アルディージャ入りが内定しているMF泉澤仁(4年・新潟ユース)である。

「今年、(泉澤)仁はチームに全然、貢献していないからね」と、厳しく評価する須佐徹太郎監督も、「相手の守備を切り裂いてくれた」と、この日のプレーには目を細めた。前半15分に左サイドを突破して強烈なシュートを放つなど、泉澤は個の力でチームをけん引した。

「初戦ということで、みんな固くなるとわかっていました。僕は大学サッカーでいろいろと経験してきたことが、人よりちょっと多いと思ったので、落ち着かせることを心がけました。初戦が大事だとみんなにも伝えていましたが、自分も持ち味のドリブルで阪南に良い流れを持ち込みたいと思っていた。今日はうまくいったかなと思います」

 11時キックオフの福岡大vs愛知学院大後に続く、この日の2試合目ということもあり、味の素スタジアム西競技場のピッチは荒れていた。ドリブルに向かない、グラウンドコンディションだった。泉澤も「最初、須佐監督からも『グラウンド状態が悪いから』と伝えられていました」と明かすが、ここでも『経験』が生きたという。

「僕自身、ユニバーシアードとかでもっと悪い状態のグラウンドを経験していたので、全然、普通にやれましたね。インドネシアとか、本当にもう土がむき出しで、水たまりもあったので。それに比べたら、全然良かったですよ」

 攻勢に出ながら、なかなか先制点が挙げられない展開でも、泉澤に焦りはなかったという。前半、積極的に縦に仕掛けていた泉澤は、後半に入るとプレースタイルを変えた。そして後半28分、泉澤は左サイドからクロスを入れる。ゴール前でFW河田篤秀(3年=阪南大高)が胸で落としたボールを、MF可児壮隆(4年=川崎U-18)がゴールに押し込んだ。

「自分がボールを持って縦に突破を続けていたので、後半は相手も縦を切ってくると思って、シンプルにプレーしました。CBの(サイドへの)カバーも早くなっていましたし、逆サイドのFWがフリーになることが分かっていたので」と、河田へのパスコースが空くことまでを予見していた。

「監督の須佐さんが『連動性』っていう言葉を、イヤになるくらい繰り返していたので。それをみんな意識していたと思う。チームとして狙った形でのゴールでした」

 初戦でチームを勝利に導いた泉澤が掲げている目標は、現大宮FW富山貴光と同じ道を辿ることだ。「昨年、トミくんがMVPっていう結果を残しているので。自分も優勝して、MVPを取って、大宮に行きたいですね」。それができたときは、須佐監督も「仁がチームに貢献してくれた」と目を細めることだろう。

(取材・文 河合拓)

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