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「小さいときに何度も応援に」 GKシュミットは幼少期を過ごした仙台入り

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 中央大のGKシュミット・ダニエル(4年=東北学院高)は、幼少期を過ごした地にあるベガルタ仙台への加入が内定した。アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれ、仙台の地で育ったシュミットにとって、思い入れのあるチーム。「ベガルタは仙台にある唯一のJクラブ。小さいときに何度も応援に行っていた。そのような特別なクラブに入団することができて、とても嬉しい気持ち」と笑顔で話した。

 現在、目標とする選手には仙台のGK林卓人を挙げた。「彼(林)の強みはシュートストップやコーチングやキックなど。全てが見習うことばかり。まずはそこを目指して頑張りたい。いいところを吸収しながら、来年の内に追い越せたら」。シュミットは抱負を語りながらも、現在の自分と林の"距離"については「(勝ってるのは)身長だけ」と自虐的。「止めるときは止めるし、チームの負けを引き分けにしたり、引き分けを勝ちにしたり。チームに勝ち点をもたらしているから、すごいGKだと思います」と心底、林のことを尊敬している。

 身長196cmのGKとして、プロ入りを勝ち取ったシュミットだが、小学4年から中学3年まではボランチを務めていたため、GKへの転向は高校1年の時。さらに中学時代には一度サッカーを辞め、5か月ほどバレー部に所属していたこともあるという。「だからボールを手で扱うのに慣れているのかも」と冗談めいて話したが、幼少期から父親の方針で、様々なスポーツに取り組んできた経験が今のGKというポジションに生きているのかもしれない。

 シュミットは下級生時から注目を集め、川崎Fの特別指定選手に登録された。しかし一学年上にはGK岡西宏祐(甲府)がいたこともあり、中央大で正GKとして試合に出場したのは、大学4年生で迎えた最後の一年間だけ。だからこそ「今年一年しか試合に出れていないのでまだ経験が足りない」と冷静に自らを分析し、「徐々に慣れて活躍していければいい」と焦ることなく前を見据えた。

(取材・文 片岡涼)

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