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[大学選手権]澤上ハット!「関西1位の責任」持つ大阪体育大が逆転勝ち!

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[12.18 大学選手権2回戦 大阪体育大4-1新潟経営大 夢の島]

 第62回全日本大学サッカー選手権(インカレ)は18日に2回戦を行い、大阪体育大(関西1)と新潟経営大(プレーオフ枠、北信越2)が激突。大体大が全日本大学選抜FW澤上竜二(2年=飛龍高)のハットトリックの活躍など4-1で逆転勝ちした。大体大は20日の準々決勝で東海学園大(東海1)と対戦する。

 今年24年ぶりに関西学生リーグ1部を制して10年ぶりにインカレの舞台に戻ってきた大体大。坂本康博総監督は「ウチが特別強くて優勝した訳じゃないからね。たまたま22ゲームの長丁場でやっていてポカしなかったということですから。全然強かった訳じゃない」と笑ったが、J内定選手5名を擁するタレント軍団の阪南大や関西学院大、関西大など強豪集う関西1部で年間の戦いを制した力はやはりホンモノだ。前半を0-1で折り返しながらも後半の4ゴールで豪快にひっくり返した。

 14日の初戦で札幌大に5-3で撃ち勝っている新潟経営大はFW中村太一(3年=常葉学園橘高)とFW鈴木雄大(3年=盛岡市立高)の2トップた、右MF太田翔(2年=正則学園高)と左MF稲葉旬(3年=新潟東高)の両ワイドにもスピードがあった。新潟経営大は立ち上がりのピンチをポストに救われると、中盤での球際の激しい守備から素早い攻撃でチャンスをつくり出す。16分に右FKのこぼれ球をCB吉賀洸貴(3年=大分鶴崎高)が右足で叩くと、20分には中村からのラストパスを左中間でを受けた鈴木が冷静に右足でゴールへ沈めて先制した。

 リードを許した大体大は馬力のある動きで前線を走り回るFW伊佐耕平(4年=神戸科学技術高)がチャンスメーク。32分には右サイドを縦に突いた伊佐の折り返しから中央の澤上が決定的な右足シュートを放ち、さらに39分には左中間から伊佐の放った右足FKが枠を捉える。だがいずれも新潟経営大GK横塚栄紀(3年=伊勢崎商高)の好セーブに阻まれて追いつくことができず、0-1で前半を折り返してしまった。澤上は「普段はあまりつないだりしないですけど、相手が前からあまりプレスに来なくて持たされた感じだったので、自分たちのサッカーが前半はできていなかった」と振り返る。それでも指揮官から「もっと簡単にやれ!」と指示された後半、絶対の信頼を得ている澤上と伊佐の強力2トップにシンプルにボールを入れ続けていくと、新潟経営大の防波堤はその圧力の前に耐え切れなくなった。

 後半8分、大体大はMF山本大稀(4年=米子北高)の左FKから中央の澤上が頭で合わせて同点に追いつく。指揮官の指示もあり、山本や左SB坂口豪(3年=C大阪U-18)ら両サイドが思い切って縦へ切れ込む大体大は無尽蔵な動きで前線を走り回り、抜群の突破力も示す伊佐と181cm、76kgの体躯と柔らかいタッチ、パワフルな左足を持つ澤上がともに躍動する。15分、CB坂本修佑(3年=初芝橋本高)の縦パスに反応した澤上が絶妙なコントロールから一気にPAへ潜り込むと、そのまま左足シュート。これはGKに阻まれたものの、こぼれ球をゴールライン際の角度のない位置から冷静に左足でゴールへ流し込んで逆転した。

 止まらない大体大は21分にもCB池永航(4年=清明学院高)の縦パスで右オープンスペースを突いた伊佐の折り返しを山本が右足で流し込んで3-1。トドメは関西学院大のFW呉屋大翔(2年=流通経済大柏高)と並ぶ“関西の怪物”澤上だ。後半35分、伊佐からのパスを受けるとPAで細かいフェイクを入れてから得意の左足でゴール。広島修道大戦で3ゴールのライバル・呉屋と同じくインカレ初戦をハットトリックで飾った。

 関西王者として臨む今大会、坂本総監督は「(出場は)10年ぶりですからね」と一戦必勝で戦うことを口にしたが、選手たちには「1位の責任を持てよ」と語ったという。澤上は「関西チャンピオンとして出ていて、きょう関西2チーム負けちゃって、もう体大と関学(関西学院大)しか残っていない。関西の代表としても体大の代表としても頑張りたいです」。総理大臣杯準々決勝で明治大に0-5の完敗を喫し、関西はもちろん、全国で勝てるチームを目指してきた。まず関西を制して次は全国でのリベンジ。GK村上昌謙(3年=草津東高)を中心とした堅守と関西MVPの澤上と伊佐の強力2トップを中心とした攻撃は今大会上位なだけに、リーグ戦同様の勝負強さを発揮することができるか。関西1位の責任を持って一戦一戦、どんな展開になっても粘り強く白星を奪いにいく。

[写真]大阪体育大は3発の澤上(左)と伊佐の活躍などで逆転勝ち

(取材・文 吉田太郎)
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