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[2013Jユースカップ]神戸U-18、中盤征圧で再び日本一へ王手

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[12.21 Jユースカップ準決勝 神戸U-18 1-0札幌U-18 金鳥スタ]

 2013Jユースカップ 第21回Jリーグユース選手権大会は21日に大阪府のキンチョウスタジアムで準決勝2試合を行い、第1試合ではヴィッセル神戸U-18(兵庫)が1-0でコンサドーレ札幌U-18(北海道)を下した。

 神戸は前半16分にMF表原玄太のゴールで先制。後半も追加点こそ生まれなかったものの、試合を優勢に運んで勝ち切った。野田知監督は「先週末にプレミアリーグのチャンピオンシップで負けた後は2日間の休みを挟んだけれど、練習を再開しても最初は元気がなかった。でも、昨日には完全に気持ちが切り替わっていた。2回も日本一を決める試合に出られるなんて、なかなかない。大したものですね」と敗戦のショックから立ち直った教え子たちを称えた。

 今季の神戸は下級生が多いラインナップでありながら、プレミアリーグWESTを優勝。チャンピオンシップでは流通経済大柏高にPK戦で敗れて日本一を逃しているだけに、この大会にかける思いは強い。一方、今大会の連覇を狙う札幌は、今季プレミアリーグEAST5位。終盤に失速したものの、上位争いに踏み止まり続けた地力は確か。U-18日本代表のDF内山裕貴、同候補MF前寛之は来季のトップチーム昇格が決まっている。準決勝にふさわしい、東西リーグの実力派対決だった。

 試合は、立ち上がりこそやや札幌ペースで進んだが、前半16分に左サイドを崩して逆サイドのスペースに流したパスを右DF近藤諒大が狙った場面は、シュートが枠を外れた。前半15分過ぎからは、それまではダイナミックな展開の多かった神戸が丁寧にパスをつなぎ出して反撃。前半17分、アンカーの堂園和馬、センターFWの藤本裕豪と中央でつないだパスをバイタルエリア右で受けた表原がドリブルで左に流れ、力強い左足のシュートを突き刺して先制に成功した。

 試合は明確に神戸ペースとなり、20分にはDF加古晴也が直接FKで弾丸シュートを枠に飛ばしたが、札幌GK輪島稜が反応良く弾きだした。前半35分には攻撃参加した右DF藤谷壮が相手2人の間を突っ切ってラストパスを出し、プレミアリーグWEST得点王のFW米澤令衣がシュートを放ったが、札幌のMF前ら2人がコースへ飛び込んでブロック。見応えのある攻防が続いた。

 後半は、野田監督が「あれだけシンプルに回せたら、うちのボール回しからは取れない。雨が降ってきてピッチも滑りやすくなっていたので」と自信を見せた神戸のポゼッションが冴え渡った。1点を追う札幌がボールを奪おうとプレッシャーをかけるが、テンポの早いパス回しについていけなかった。札幌のMF前は「中盤に人数が多い相手に対して、守備をなかなかハメられなかった。もっと(主導権争いは)五分五分の戦いになるはずだった。ほかにもやり方はあったかもしれないけど、早い時間に点を取られていたので、奪いに行こうと思った」と振り返った。しかし、追えば追うほど疲弊した札幌は、チャンスをつかめなかった。終盤は内山を前線に上げ、パワープレーからセカンドボールを狙ったが、神戸の守備陣に挟み込まれて封じられた。

 スコアこそ最小点差だが、内容は完勝。神戸の野田監督は「僕は気にしないけど、選手が(今度こそと)思っているはず。本当はチャンピオンシップも勝ちたかったから、忘れ物を取りに行く感じ」と2度目の日本一挑戦にかける意気込みを示した。

(取材・文 平野貴也)
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