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[大学選手権]4年生MF山本ハット!!大阪体育大が28年ぶりの全国制覇!!

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[12.25 大学選手権決勝 国士舘大1-3大阪体育大 国立]

 第62回全日本大学サッカー選手権は25日、国立競技場で決勝を行い、99年度以来14年ぶりの優勝を狙う国士舘大(関東4)と85年度以来28年ぶりの全国制覇を目指す大阪体育大(関西1)が激突。前半24分に国士大FW服部康平(4年=国士舘高)が先制ゴールを決めたが、MF山本大稀(4年=米子北高)の3ゴールで逆転した大体大が3-1で逆転勝ちし、28年ぶり2回目の優勝を果たした。

 国士大は準決勝で負傷交代した10番FW新村武玄(4年=東京Vユース)が欠場。4-4-2システムのGKは久保田晃次(3年=清水ユース)で4バックは右から石川喬穂(4年=広島皆実高)、全日本大学選抜DF仲島義貴(2年=神戸U-18)、今瀬淳也(3年=市立船橋高)、藤嵜智貴(1年=清水ユース)。中盤は橋本拓門(4年=柏U-18)と松本和樹(3年=西武台高)のダブルボランチで右が佐々木陸(3年=東福岡高)、左が進藤誠司(3年=流通経済大柏高)。2トップは平松宗(3年=新潟ユース)と準決勝先制ゴールの福田真也(4年=日本航空高)が務めた。

 一方の大体大は今大会不動の先発イレブンで決勝に臨んだ。4-4-2システムのGKは村上昌謙(3年=草津東高)、4バックは右から山口幸太(3年=四日市中央工高)、池永航(4年=清明学院高)、坂本修佑(3年=初芝橋本高)、坂口豪(3年=C大阪U-18)。中盤は山田貴文(3年=日章学園高)と國吉祐介(2年=四日市中央工高)のダブルボランチで右が池上丈二(1年=青森山田高)で左が山本。2トップは今大会3戦連発の6得点をたたき出している全日本大学選抜FW澤上竜二(2年=飛龍高)と2戦連発中のFW伊佐耕平(4年=神戸科学技術高)の強力FWコンビが務めた。

 今大会3戦11発の大体大と堅守で接戦を勝ち上がってきた国士大。試合は序盤から大体大が押しこむ形となった。左サイドの山本や伊佐が起点となってクロスまで持ち込むと、セカンドボールを國吉や山田が拾って2次攻撃へ持ち込んだ。

 12分には左サイドから仕掛けた山本の右足シュートのこぼれ球を池上が左足で叩き、20分には左サイドを抜けだした伊佐がゴールライン際で絶妙な切り返し。DFをかわして強烈な右足シュートを放つ。なかなかマイボールを保持することのできない国士大を両翼から攻め立てた。

 だが国士大は中央の仲島、今瀬がクロスを弾き返すと、松本が再三危険を消す好守。危ないシーンをつくられてはいたものの、相手の強力2トップを厳しいチェックで封じ込むなど最後のところで持ちこたえていた。23分には準決勝で負傷交代している福田に代えて、FW服部康平(4年=国士舘高)を投入。早くも動いた国士大が直後、スコアを動かした。貴重なゴールを奪ったのは、試合前から「ハットリ!ハットリ!」と一際大きなエールをスタンドから浴びていた服部。24分、国士大は左サイドでボールを収めた福田とスイッチする形で進藤が縦へ抜け出す。左足で上げたクロスを中央でコントロールした服部が豪快な左足シュートを叩き込んで国士大が先制した。

 先制した国士大はその後も前線で力強いプレーを見せる服部と進藤のコンビネーションなどで追加点を狙う。だが正確なパスワークに加え、局面での攻防戦でも上回った大体大がその攻撃力で試合をひっくり返す。44分、大体大は左CKから伊佐が決定的なヘディングシュート。これは国士大DF石川にゴールライン上でクリアされたものの、前半アディショナルタイムだ。伊佐の右クロスをファーサイドで国士大DFがクリアにもたつくと、これを拾った山本が右足シュートをゴール右隅ヘ流し込んだ。

 前半ラストプレーのゴールで追いついた大体大はさらに後半2分、左中間を縦へ切れ込んだ池上のゆっくりとしたクロスボールをファーサイドからゴールエリアに飛び込んだ163cmMF山本が頭でゴールヘ押し込んで逆転した。

 国士大は素早く前線へボールを入れて反撃しようとするが、大体大はサイドを起点にチャンスをつくり続ける。11分に澤上が鋭いターンから放った左足シュートや28分にゴールを捉えた山田の右足シュートなどで国士大ゴールを脅かす。1点を追う国士大は23分に負傷の今瀬に代えてDF吉田吏玖(4年=遠野高)を投入。29分には進藤に代えて準決勝でゴールを決めているMF田中智也(1年=横浜FMユース)をピッチへ送り出した。

 大体大は36分に池上に代えて快足FW安田圭佑(2年=京都両洋高)を投入。反撃を続ける国士大は何とかクロスまで持ち込むものの、大体大の厳しいプレッシャーとGK村上の好守の前にチャンスらしいチャンスをつくることができない。逆に大体大は43分、澤上からのパスで抜けだした伊佐がポストを直撃の左足シュートを放つ。そして45分、左サイドでボールを受けた山本がDFを一人かわして左足でゴール。山本のこの日3点目となる一撃でダメ押した大体大が最後まで攻め抜いて3-1で勝ち、改修前「最後の国立」で歓喜の雄叫びを上げた。

[写真]28年ぶりVを成し遂げた大阪体育大

(取材・文 吉田太郎)

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