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[選手権]熊本国府が国立での開幕戦を制す、大槻2発で國學院久我山に劇的勝利

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[12.30 高校選手権1回戦 熊本国府2-1國學院久我山 国立]

 第92回全国高校サッカー選手権は30日、東京・国立競技場で開幕した。開会式後に行われた開幕戦では、15年ぶり2回目の出場を果たした熊本国府(熊本)と2年ぶり5回目の出場となる國學院久我山(東京)が対戦。熊本国府が試合終了間際の劇的ゴールで2-1で競り勝ち、国立での開幕戦を制した。

 國學院久我山は前半5分、相手守備の乱れからFW富樫佑太(3年)がボールを奪ってドリブルで仕掛ける。一気にPA内まで切れ込み、右足でシュートを打ったが、惜しくも左ポストを直撃。跳ね返りに詰めたFW松村遼(3年)も合わせ切れず、絶好の先制機を逃した。

 アンカーのMF平野佑一(3年)が攻守のバランスを取り、攻撃陣が自由に相手ゴールへ迫る國學院久我山。富樫、松村、FW飯原健斗(2年)というスピードに突破力もある3トップが熊本国府を押し込み、試合の主導権を握った。前半23分にはMF渡辺夏彦主将(3年)の縦パスを富樫がワンタッチで落とし、右SB鴻巣良真(2年)が右足でシュート。決定的な形だったが、シュートの際に体勢を崩してしまい、ゴール左へ外れた。

 國學院久我山に押し込まれながらも、人数をかけた守りで体を張って耐え続ける熊本国府。すると前半27分、ワンチャンスを生かして先制に成功した。MF山口慶希(2年)が右サイドから左足でクロス。逆サイドのMF川上康平(2年)が左足ダイレクトでシュート性の折り返しを入れ、FW大槻健太(3年)が右足で合わせた。劣勢の中、奪った先制点。前半33分、富樫の強烈な右足ミドルもGK小野公治(3年)が鋭い反応で弾き出し、前半は熊本国府の1点リードで折り返した。

 後半に入ると、國學院久我山がさらに攻勢を強め、熊本国府を攻め立てる。しかし、後半6分、富樫の強烈な右足シュートはGKが正面でキャッチ。同7分にはMF小田寛貴(3年)がドリブルでPA内に仕掛け、DF太田黒嶺(3年)と交錯して転倒したが、笛は鳴らなかった。さらに同13分、松村が左サイドを縦に仕掛け、ゴール前にクロス。後方からフリーで走り込んだ渡辺が右足で合わせたが、GK小野が身を挺したビッグセーブでゴールを死守した。

 防戦一方の展開ながら球際で体を張り、ギリギリのところで足を伸ばしてボールを弾き返す熊本国府。1点が遠かった國學院久我山だが、後半30分、ついにゴールをこじ開けた。右サイドから鴻巣が中央に入れ、渡辺が柔らかいタッチでスルーパス。PA内右に抜け出した富樫は角度のない位置から右足を振り抜き、豪快にニアサイドを破った。

 残り10分のところで試合を振り出しに戻し、一気にたたみかける國學院久我山。しかし、後半アディショナルタイム1分、平野の強烈な右足ミドルはまたしてもGK小野がビッグセーブを見せ、しっかりとボールを抑える。すると、その直後だった。熊本国府はカウンターからDF倉原弦岐(2年)が右サイドを駆け上がり、ゴール前にクロス。ここに飛び込んだのが大槻だ。猛然と走り込み、豪快なダイビングヘッドをゴールネットに突き刺した。劇的な決勝点。熊本国府が國學院久我山に2-1で競り勝ち、初戦を突破した。

(取材・文 西山紘平)

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