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横浜FMが“最後の国立”で21大会ぶり天皇杯制覇!!

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[1.1 天皇杯決勝 横浜FM2-0広島 国立]

 第93回天皇杯全日本サッカー選手権は1日、東京・国立競技場で決勝を行い、21大会ぶりの決勝進出を果たした横浜F・マリノスと6大会ぶり決勝進出のサンフレッチェ広島が対戦した。改修工事前最後の国立競技場での元日決戦は、横浜FMが前半17分にMF齋藤学のゴールで先制すると、同21分にはDF中澤佑二が追加点。そのままリードを守り抜き、2-0の完封勝利を飾った。横浜FMは前身の日産自動車時代を含め、21大会ぶり7度目の天皇杯制覇。04年のJ1リーグ以来、9シーズンぶりのタイトル獲得となった。

 最終節で優勝を逃したリーグ戦のリベンジを狙う横浜FMはDF小林祐三が出場停止明けで先発復帰。FW藤田祥史は累積警告により出場停止で、神戸移籍が発表されたFWマルキーニョスも不在のため、FW端戸仁が1トップで先発した。一方、最終節の逆転劇でリーグ連覇を達成し、2冠を目指す広島は準決勝のF東京戦と同じ先発メンバーで臨んだ。
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 立ち上がりから横浜FMがボール支配率を高め、試合の主導権を握った。前半7分にはMF中村俊輔が右足でミドルシュートを狙うが、ゴール上へ。その後も優勢に試合を運びながら、広島の堅い守りの前にフィニッシュまで持ち込めず、拮抗した時間が続いた。

 広島の人数をかけた守りを小林がオーバーラップでこじ開ける。前半17分、右サイドから攻撃参加し、そのままドリブルでPA内へ切れ込むと、こぼれ球を端戸、兵藤がつないでマイナスに戻し、齋藤が右足ダイレクトで振り抜いた。PAライン上からのミドルシュートをゴール左隅に流し込み、先制点。直後の19分には広島MF石原直樹の右足ボレーがGK榎本哲也の手を弾いてポストに当たる場面もあったが、同21分、中村の左CKにMF中町公祐が頭で合わせると、GK西川周作が前に弾いたボールを中澤がヘディングで押し込み、追加点を奪った。

 5分間の2ゴールで2-0とリードを広げた横浜FMに対し、広島は目が覚めたかのように猛反撃に出る。前半30分、MF青山敏弘の右足ミドルは中澤が足を伸ばしてブロック。同32分にはMFミキッチが角度のない位置からシュートを狙い、GKが弾いたボールにFW佐藤寿人が詰めたが、榎本の連続セーブに阻まれた。横浜FMも前半40分、中盤でのボール奪取から中町の絶妙なスルーパスにMF兵藤慎剛が抜け出したが、左足のシュートはわずかにゴール右へ。前半アディショナルタイムには中村のスルーパスから小林が右クロス。ファーサイドの齋藤がヘディングで合わせたが、枠を捉えることはできず、前半は横浜FMの2点リードで折り返した。

 広島は後半開始から左サイドの対応で後手を踏んでいたMFファン・ソッコに代えてMF清水航平を投入。後半6分にはMF高萩洋次郎の浮き球のパスを石原が頭でつなぎ、佐藤が落としたボールを石原が左足で狙ったが、惜しくもゴール右に外れた。同18分にも速攻からチャンスをつくり、高萩からラストパスを受けた石原が右足でシュート。しかし、これはDF栗原勇蔵の体を張ったブロックに弾かれた。

 広島に押し込まれる時間帯もありながら中澤、栗原を中心にゴール前で跳ね返す横浜FM守備陣。高い集中力を保ち、2点のリードを守り続けた。広島は後半32分、佐藤と高萩を下げ、FW浅野拓磨、MF野津田岳人を投入。交代枠を使い切り、最後の勝負に出た。しかし、同35分、右サイドから中に切れ込んだミキッチの左足ミドルも榎本がキャッチ。最後までゴールを割ることができず、0-2の零封負けを喫した。

 後半39分、齋藤に代えてDF奈良輪雄太、同43分に端戸に代えてMF佐藤優平、後半アディショナルタイムには小林に代えてMF小椋祥平を投入し、2-0のまま逃げ切った横浜FMは21大会ぶりの天皇杯制覇。リーグとの2冠を逃した広島はJ開幕以降、5度目の決勝進出で5度目の準優勝となった。これで今季はリーグ戦を含め、対横浜FM戦は3戦3敗。J1最終節で逆転Vを許した相手に“リベンジ”を果たした横浜FMが“最後の国立”で日本一の栄冠に輝いた。

(取材・文 西山紘平)

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