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[MOM967]京都橘FW小屋松知哉(3年)_市船を沈めたエースの2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 全国高校選手権準々決勝 市立船橋0-2京都橘 駒沢]

 夏の王者を沈めた。京都橘(京都)のFW小屋松知哉主将(3年、名古屋グランパス内定)が抜群の決定力を発揮する2ゴールで市立船橋(千葉)の夏冬連覇の夢を打ち砕き、京都橘を2年連続ベスト4へ導いた。

 驚異的なスピードと独特なリズムを持ったドリブルで市船守備陣を切り裂いた。何度となくハイプレッシャーでボールを奪い、ショートカウンターからチャンスを演出。「相手のディフェンスはバランスが取れていて崩すのは難しかったけど、点が取れるかなという感じはしていた」という予感が当たったのは後半5分だった。

 速攻から相手ゴール前へ攻め込むと、一度はボールを失いながらも連続したハイプレスで奪い返す。MF中野克哉(2年)からパスを受けた小屋松はPA内左へ切れ込み、縦に突破。DF柴戸海(3年)が追いすがるも左足を振り抜き、豪快にゴールネットを揺らした。

「足元にいいボールが来て、ワンテンポ外してシュートを打とうと思った。抜き切るのではなく、初速で持ち出して打つことを意識した」。一瞬の加速で相手より一歩前に出てシュートコースをつくる。「GKもニアに寄っていたので」という冷静さと視野の広さ、そして決定力。後半26分にもMF藤村洋太(3年)のスルーパスに抜け出し、右足で流し込む。「いいボールが来たので流し込むだけだった。(藤村)洋太に感謝です」という追加点で勝利を手繰り寄せた。

「市船に勝ってこそ、国立に立つ意味がある。伝統校である市船を倒すことが一つの歴史になる」。3回戦の那覇西戦(3-2)後にそう話していた小屋松は「伝統校を相手にも戦えることを証明できたと思う」と胸を張る。3回目の全国選手権出場で2年連続の4強入り。「僕らの代でも結果を残せた。去年と比べることはできないけど、去年できなかったことを達成できる楽しさが残っている。チャンピオンになるためのチャレンジャーという気持ちが大きい。先輩たちが残してくれた歴史を超えられるようにプレーしたい」。前回大会を上回る頂点まで、あと2つだ。

 準決勝の相手は、同じく2年連続4強の星稜(石川)に決まった。昨年12月16日に行われた高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦でも対戦。開始3分にミスから先制を許したものの、5-1の逆転勝利でプレミアリーグ初昇格を決めた。「ああいう形になったのはたまたま」。参入戦の結果は参考外と強調する小屋松は「ああいうスコアのあとは緩んでしまうことが多いけど、参入戦のことは忘れて、一から自分たちのサッカーをしたい。選手権は舞台が違う。もう一回、引き締めていきたい」と力を込めた。

(取材・文 西山紘平)

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