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[選手権]最後の国立は史上初北信越対決!!星稜が“小屋松封じ”で初の決勝へ

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[1.11 全国高校選手権準決勝 星稜4-0京都橘 国立]

 第92回全国高校サッカー選手権は11日、東京・国立競技場で準決勝を行い、第2試合ではともに2大会連続の4強入りを果たした星稜(石川)と京都橘(京都)が対戦し、星稜が4-0で快勝した。日本代表MF本田圭佑(ミラン)を擁した04年度大会、そして前回大会のベスト4を超え、24回目の出場で初の決勝進出。改修工事前最後の国立競技場で行われる13日の決勝は史上初の北信越対決となり、富山一(富山)と対戦する。

 星稜は4-4-2のシステムで、GK近藤大河(3年)、4バックは右からDF森下洋平(3年)、DF寺田弓人(3年)、DF藤田峻作(3年)、DF上田大空(3年)。中盤はMF前川優太(2年)とMF平田健人(2年)のダブルボランチも、守備時は平田が京都橘のエース、FW小屋松知哉(3年、名古屋グランパス内定)をCB寺田と受け渡しながらほぼマンツーマンでマークした。両サイドは右にDF原田亘(2年)、左にMF寺村介主将(3年)。2トップはFW森山泰希(2年)とFW仲谷将樹(3年)が組んだ。

 京都橘も4-4-2で、ゴールを守るのはGK永井建成(3年、ロアッソ熊本内定)。4バックは右からDF倉本光太郎(2年)、DF清水遼大(2年)、DF林大樹(2年)、DF小川礼太(1年)と並んだ。中盤はMF志知大輝(2年)とMF藤村洋太(3年)がダブルボランチを組み、右にMF中野克哉(2年)、左にFW宮吉悠太(3年)。前線は小屋松とMF中山俊輝(3年)の2トップだった。

 試合はいきなり動いた。星稜は前半3分、原田が右サイドからアーリークロスを入れると、京都橘の右SB倉本の背後から前に入り込んだ仲谷がボールコントロールから左足でゴールへ流し込んだ。開始早々の立ち上がり。京都橘の一瞬の隙を突き、星稜が先制に成功した。

 出はなをくじかれた京都橘はエースの小屋松が厳しいマンマークに遭い、なかなかリズムをつかめなかった。それでも小屋松はマークを引き連れながら流動的に動くことでスペースをつくり、局面の打開を図る。前半25分には小屋松のラストパスから中山が右足ダイレクトで狙う好機を演出したが、シュートはGKの正面に飛んだ。

 星稜1点リードのまま試合はこう着状態に入り、両チームともにフィニッシュまで持ち込めない時間が続く。昨年12月16日に行われた高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦では1-5で大敗した星稜だが、相手のエースを封じ込め、狙いどおりの展開に持ち込んだ。参入戦でも前半3分にミスから先制を許した京都橘。このときは前半のうちに2-1と逆転したが、この日は決定機をつくれぬまま、1点ビハインドで後半に折り返した。

 次の1点も星稜が奪った。後半6分、原田から右サイドを駆け上がる森下にパスが通り、森下がクロス。ファーサイドに抜けてきたボールを寺村がコントロールしたところで倉本に倒され、PKを獲得した。これを寺村が自ら落ち着いてゴール右へ決め、2-0とリードを広げた。

 2点を追う展開となった京都橘は後半10分、宮吉に代えてFW赤澤祥平(3年)を投入。赤澤は前線に入り、中山が左サイドハーフにポジションを下げた。同13分には相手GKのクリアミスを拾ってパスをつなぎ、最後は中山のラストパスから赤澤が左足で狙ったが、DFがブロック。同18分、小屋松の浮き球のパスを受けた赤澤がスルーパスを通し、中野が右足を振り抜いたが、GK近藤の好セーブに阻まれた。

 京都橘の反撃に粘り強く対応する星稜は後半19分、右クロスからゴール前で粘った原田が左足で蹴り込み、3-0。試合を決定づける追加点を奪った。まずは1点を返したい京都橘は後半20分、小屋松が右足ミドルを狙うが、ゴール上へ。逆に星稜は同30分、森下の右クロスから森山が押し込み、4-0とダメを押した。何とか1点を返したい京都橘は最後までゴールを目指したが、小屋松を封じられた攻撃陣が沈黙。1点を奪うことができず、準優勝した前回大会に続く2年連続の決勝進出はならなかった。

(取材・文 西山紘平)

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