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[選手権]富山一を初の決勝進出へと導いた『オシムの言葉』

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 富山一(富山)は12日、都内で明日13日に星稜(石川)と行う決勝戦に向けて最終調整を行った。史上初の北陸勢対決となったが、大塚一朗監督は「地域が活性化される」と喜んだ。

 育成年代を指導するのあたって大塚監督に影響を与えた言葉があった。ジェフユナイテッド千葉の前身である古河電工でのプレーした経験を持つ同監督はその伝手で元日本代表監督のイビチャ・オシム氏と話す機会を得た。そこで「育成で一番大事なことは何ですか」との問いに返ってきた答えが、今でも頭に残っていると話す。

「対人的なゲームをたくさんやらせろ。コーンだけ立ててドリブルをやらせても意味がない。なぜならコーンはボールを取りにこないから」

 大塚監督も感じていたことだった。「欧州なんかではリフティングが3回4回しか出来ないやつがゲームになったらリフティング1000回出来るやつより相手を抜いていくテクニックが巧かったりする。要するにゲームの中で発揮しするテクニックと敵がいないところで付けたテクニックは違うということだと思う」。ゲーム形式のトレーニングで鍛えられたイレブンは瞬く間に成長。同校史上初の決勝戦へと駒を進めた。

 星稜とは昨年の北信越総体の決勝戦でも対戦している。2-1で勝利しているが、その試合は互いにBチームだったこともあり、あまり参考にはならない。「いい試合がしたい」。初の頂点へ向け、大塚監督は静かに闘志を燃やした。

(取材・文 児玉幸洋)

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