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憧れからライバルに…舞い戻った青赤戦士MF武藤の誓い

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 自信をつけた男は、再び青赤のユニフォームに身をまとうことになった。小さなころからFC東京のサポーターだったと語るMF武藤嘉紀は、F東京U-15深川、F東京U-18とユース年代までF東京の下部組織で育った。だが、当時はトップチームの選手を常に身近に感じながら、どこか憧れの眼差しでそのプレーを見ていたと言う。

「本当にレベルが上の選手たちでした。ユースのときにトップチームの練習に参加しましたが、そこでやれる自信もなかったし、僕がトップチームでプレーするのは想像できないくらいでした」

 一度チームを離れ、慶應義塾大への進学を決断した。大学入学後、徐々に頭角を現すと、12年と13年はF東京の特別指定選手となり、昨季はJリーグデビューも飾った。大学でどの部分が成長したと感じたかという問いに「うまくいかないときに、どう修正すればいいのかという能力が培われたと思います」と答えたように、大学で努力したことで、確かな成長を遂げた。

 スピードに乗ったドリブルと決定力には自信を持っており、サイドハーフやウイングでプレーし、得点機を演出する選手だ。始動初日となったこの日の試合形式の練習でも得点を挙げるなど、アピールした。手が届かないと感じながらも、ようやくたどり着いたトップチーム。その舞台には、ずっと目標としてきた選手がいる。武藤同様にスピードを大きな武器してチャンスを生み出し、自ら得点も奪うことができるMF石川直宏だ。

「憧れでした。ユースのときもずっと見ていたし、石川選手みたいになりたいと思っていました」。だが、「憧れ」はここまで。これからはライバルだと力強く語った。「これからはポジションを争うライバルになります。しっかりとアピールして、石川選手からポジションを奪えるように頑張りたいです」。

 ユースのときにはトップチームでやれるという自信を持てなかったが、今は違う。「大学を経由してトップでやれる自信をつけて、ここに戻ってきました。FC東京サポーターだったので、味スタでプレーできるのは夢のようです。ただ、その夢を実現させるには試合に出場しないといけない。まずは試合に出場できるように頑張るだけです」。F東京に舞い戻った青赤の戦士は、憧れだった選手を追い抜き、小さなころから夢見た舞台で輝くことを誓った。


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