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[東京都クラブユース(U-17)選手権]復権目指すF東京U-18が町田ユースに劇的勝利

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[1.19 東京都クラブユース(U-17)選手権大会 F東京U-18 2-1町田ユース 東京ガス武蔵野苑多目的グラウンド]

 平成25年度第15回東京都クラブユース(U-17)選手権大会は各4チームの2ブロックによって争われる決勝リーグに突入。FC東京U-18とFC町田ゼルビアユースとの一戦が19日に小平市の東京ガス武蔵野苑多目的グラウンドで行われ、F東京が後半44分にDF相原克哉(1年)が決めた決勝ゴールによって2-1で逆転勝ちした。

 新チームの公式戦初戦。今年、3年ぶりのプレミアリーグ昇格、全国大会での上位進出を目指すF東京が逆転で白星スタートを切った。序盤からボールを握るF東京に対し、町田はショートカウンターで対抗する構図に。F東京の指揮を執った佐藤一樹コーチが「球際のところはこだわっています。フィフティ・フィフティのボールが自分のところに転がってくる回数が多いチームが主導権を握っていくと思う。(この日はショートカウンターを食らうシーンが多かったが)ボクも球際、球際と言って『全部奪いに行け』『ライン高くして後ろ同数くらいでもいいぞ』くらいな感じで入れていた。(スペースを消す守りを選択することもできたが)あえて奪いに行かせて、裏を狙わせてという部分もトライしている」と説明したように、F東京は練習からこだわりを見せているという球際でリスク覚悟の果敢なプレーを見せていた。ただ、町田は何度か中盤の混戦を制し、その背後を突いたMF馬場悠やMF野地樹(ともに2年)がバイタルエリアをドリブルで駆け上がってシュートシーンをつくり出す。

 町田は9分、相手CBからインターセプトした馬場がすかさず左足シュート。GK伊東倖希(2年)にわずかに触られてゴールにはならなかったもののビッグプレーを見せれば、32分にもFW大谷昭太(2年)の左足シュートがF東京ゴールを脅かす。また中盤の攻防戦で主将の橋本拓哉(2年)が存在感を示すなど、“格上”相手にも簡単には試合の流れを渡さない。ただF東京もトップ下から下り目のポジションで起点となったMF高橋宏季(2年)を中心に攻撃。強風の影響か、いい形でサイドまで展開しながらもクロスが合わないシーンが続いたが、それでも31分には左サイドを突いたMF佐藤亮(1年)の折り返しを高橋が左足で叩き、33分にも高橋、FW大熊健太(1年)とつないで、最後は佐藤が左足を振りぬくなどチャンスをつくった。その中で先制したのは町田。42分、右サイドから押し込むと、素早くボールを動かし、最後はペナルティアークから大谷が右足シュートをゴール右隅へねじ込んだ。

 町田は1-0で前半を折り返す展開。ただ竹中穣監督が「(素早い攻撃でチャンスをつくったが)まずベースとしてボクらがゴール前まで速く進むというのは、ボクらが顔をあげてプレー出来ていないという証拠なので……。正直、『良し』ということではないです。結果的にボールを握られて開いているスペースを速く突くという図式になりましたけれど、ボールや人が動く距離とか準備の部分では怠けてしまっていたので、ああいう絵面になったのかなと思います」と険しい表情を見せたように、相手の厳しいプレッシャーの中で攻め急いでしまうシーンが多く、ボールを持つ、シュート回数を増やすという面では目指していた試合ではなかった。

 逆にF東京は前日に修学旅行から帰京してきたばかりという注目FW蓮川雄大(2年)ら3選手を後半開始から同時投入。CB大西拓真(2年)が「前半はちょっと受け身になっていたんですけど、後半は前からどんどん行って自分たちのサッカーをしようと思った」と説明したように、より前への姿勢を強めて相手の攻撃を中盤で完全にシャットアウトすると、力強い突破で圧力をかける蓮川やSB山岸瑠(2年)の左サイドの攻撃力などを活かして町田ゴールへ襲いかかる。10分には蓮川の左クロスを中央でDFに競り勝った佐藤が頭で合わせて同点。さらに28分には高橋のギャップを突くパスから右中間で切り返したMF渡辺龍(2年)が左足シュートを放ち、39分には高橋のスルーパスで右中間を抜けだした相原が決定的な右足シュートを放つ。

 GK朝日良(2年)のビッグセーブでピンチを切り抜けた町田も43分に決定機をつくり返す。激しいチャージを受けながらも強引に中央突破した大谷のラストパスを交代出場のFW米山亮太(1年)が右足シュート。ただこの一撃はわずかにクロスバーの上方へ外れ、直後にF東京に歓喜がもたらされた。44分、左サイドの蓮川からの折り返しに逆サイドから走りこんだ相原が左足ダイレクトでゴールヘ沈めて決勝点。劇的V弾でF東京が白星をもぎ取った。

 町田の竹中監督は1-2の惜敗にも「スコアだけが収穫かな、と。ネガティブな捉え方しかボクはしていないですけど、(数年前までつけられていた2桁得点差に比べると)この差は縮めてきているし、追い越すためのトライをしていく要素になったかなと思います」と語り、一方のF東京・佐藤コーチは「ボクは今年、FC東京U-18ファミリーだというふうに言い続けている。勝つためだけにメンバー固定、勝ち偏重というよりは選手もたくさん使って、シーズン序盤から中盤にかけては総合力を上げていかなければいけない。(交代出場5選手を含めて勝利した)こういう形で活性化しながら、どの選手が出ても、どのポジションやっても、サッカーができるチームにして欲しい」と期待する。

 F東京はこの日、主力のFW佐々木渉やMF長澤皓祐(ともに2年)らが不在だったが、1年生たちがその穴を埋め、最後はSBからSHへポジションを移していた相原の決勝ゴールと“ファミリー”全員で白星を勝ち取った。この1勝を今後への弾みにする。09年のJユースカップ優勝など毎年のように全国大会決勝を経験していたF東京だが、ここ3年は全国舞台で結果が出ていない。プリンスリーグ関東1部でも12年はあと一歩のところで優勝を逃し、昨年は後半戦の猛追実らず6位でシーズンを終えている。それだけに今年への意気込みは非常に強い。この日暫定的にキャプテンマークを巻いた大西は「(昨年は)悔しい思いが多かった。もっと上でやりたいという気持ちはみんなあると思います。今年はチーム全体を引っ張って日本一になるということが自分の目標。それはチームの目標でもあるのでしっかりとボクがチームを支えて、引っ張っていけたらなと思っています」。昨年の終盤戦は下級生中心のメンバーで白星を重ねているだけに経験値も大きな武器。昨年、一昨年と変えることのできなかった目標「プレミアリーグ昇格」、そして全国大会での復権を今年こそ果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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