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鹿島期待の即戦力、FW赤崎は大迫移籍をチャンスに

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 「ポスト・大迫」の座は、大迫と同じ鹿児島県出身のストライカーが射止める。鹿島アントラーズは今月6日、昨シーズンチームトップの19ゴールを叩きだしたエースFW大迫勇也がドイツ2部の1860ミュンヘンへ移籍することを発表。MVPを獲得した11年ナビスコ杯など鹿島にタイトルをもたらしてきた大迫に代わる存在として期待が高まっているのが、筑波大から加入した新人FW赤崎秀平だ。

 佐賀東高(佐賀)時代からJクラブの熱い視線を受けてきた赤崎は、筑波大1年時に関東大学リーグ1部でいきなり得点王。3年時にも同リーグの得点王を獲得した。また全日本大学選抜としても11年ユニバーシアード金メダル、昨年の同大会は銅メダルに終わったものの、世界大会で得点王。加えて3年時の天皇杯では鹿島、4年時の同大会では柏からゴールを奪っている大学サッカー界ナンバー1のストライカーだ。本人も「高校でプロに行かなかった時点で4年後、即戦力として力を求めれると自分でも思っていたし、期待に応えられるように頑張っていきたいです」と即戦力として期待に応えるつもりでいる。

 同郷の大迫の下で学びたかったという思いはもちろんある。ただ、大迫移籍の第一報を聞いた時に頭をよぎったのは「プレッシャーがかかるだろうな」という思いと「単純にチャンスだなという気持ち」。筑波大、全日本大学選抜のエースとして数々のゴールを叩き出してきたストライカーは「自分が1年目からエースとしてチームを勝利に導けるような活躍を周りからも求められると思いますし、自分でもそういう存在にならなければいけない」と力を込めた。

「(昨年、大迫と一緒に練習した際には)『自分を出していい』というふうに言われましたし、一つひとつの動きをよく見てくださって、『その動き、いいからもっと強く要求していいんじゃない』と声をかけられることもありました。そばでいろいろなものを吸収したいという気持ちがありましたし、去年少し練習参加しただけですけど、一つひとつの技術、取り組み方に関してもアントラーズの中でも一流だったと思いますし、(大迫がいれば)もっと違ったプロ一年目になったと思います。でも、もう現状いないので、大迫さんが移籍されましたけれど、安心していられるような内容と結果を出せるチームにしていかなければいけない」。

 そのためには自分がチーム、サポーター、そしてドイツに新天地を求めた大迫も安心させるプレーをしなければいけない。もちろん、簡単に結果が出るとは本人も思っていない。ただ動き出しの速さと質、そして得点感覚の高さは非常に高いレベルにあり、アシスト能力にも長けている。懸念されていた肩の手術を昨年10月に実施し、キャンプ序盤は別メニューとなる模様だが、「キャンプの頭に関しては、戦術練習よりも個人の心拍を上げるメニューがメインと言われたので出遅れるという感じではない」と不安はない。タイトル奪還を目指す鹿島で背番号18のストライカーが開幕から勝利に貢献し、大迫移籍の不安を振り払う。

(取材・文 吉田太郎)
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