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「NIKE CHANCE」でサッカー人生変えた大成高CB楠本、自身も驚く高評価で世界切符獲得!!

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 約1年半前の12年7月、「NIKE CHANCE」によってサッカー選手として自信をつけたDFが、今回の「NIKE CHANCE」でサッカー人生をまた変えた。大成高(東京)CB楠本卓海(3年)は前回の「NIKE CHANCE」ジャパンセレクションにも参加。「周りのレベルが高いんで、それを経験できればいいかなという感じだった」というセレクションで国内スカウト統括を担当した元日本代表MF風間八宏氏(川崎フロンターレ監督)らの目に留まり、当時高校2年生だった楠本は惜しくも勝者にはなることができなかったものの、その後プロや関東、関西1部の強豪大学へ進んだ高校3年生のライバルたちと同等、それ以上の評価を受けた。もしもそのチャンスを活かせていなかったら、今回も参加していなかったかもしれない。ただ前回の「NIKE CHANCE」で意識を高め、サッカー選手としての目標を変えた楠本は今回、堂々のプレーで前回以上の評価を勝ち取った。

 楠本は高校3年間、東京都大会では一度も8強に残っていない。中学時代も「漠然とプロになりたい、くらいでした」という。全国はおろか、東京都でもほぼ無名の存在だ。それでも13年夏の全国大会予選で、優勝した成立学園を後半残り1分まで零封するなど力を発揮。高校3年間を通して成長したDFの将来の目標は明確にプロへと変わっていた。「特に自信を持てたのは、去年(12年)のチャンスだった」。力試しのつもりで臨んだセレクションで全国優勝歴のある名門校の選手たちをも封じ込んだ経験のあと、13年夏にはNIKEが育成年代に向けて行っている特別強化プログラム「NIKE FC」で日本代表DF長友佑都(インテル)から「目についた部分はCBをやっている中での、足元の技術。あと一番感じたのは常に味方の選手に要求していたこと」と技術と姿勢を評価されている。そして今回、2度目のチャンスで“日本代表”の座を掴んだ。

 ただし、この日は自身のプレーには全く満足していなかったという。「プレーはとりあえず全然。全くダメだった。ヘディングも真上にあげちゃったりとか」と苦笑い。昨年10月に高校サッカーから引退し、トレーニングを再開したのが1週間前。前日はの部活に参加したというが、テスト期間中ということもあり、コンディションは整っていなかった。それでも周囲の理解もあってテストを欠席して臨んだこの日、自身も驚くほどの評価を勝ち取った。
 
 身長は181cm。CBとして飛び抜けた高さがある訳ではない。ただ、自信を持つヘディングと対人の強さで相手の攻撃を封じ続けた。空中戦ではほぼ全てを頭に当て、背後へのボールも素早い反応で跳ね返す。そしてスペースへ飛び出してくる選手は圧倒的なフィジカルコンタクトの強さで弾き飛ばしてボールをキープした。「CBとして、弱いCBは使えないと思うんで、そこは行くところはがっつり、潰しに行くところはやっていた」。グローバルセレクションではよりコンタクトの強い外国人選手と対峙することになるが、本人は「外国人とかゴリゴリだと思うので、割りきって行こうかなと思っています。潰しに行けるところは行って、ダメだったら仕方ないかなと。ただ実際(負ける気は)ないです」と不敵に笑った。

 来季関東大学リーグ1部へ昇格する東京国際大への進学が決まっており、数日後から練習参加する予定となっている。そこで「仮想・グローバルセレクション」を進めていく。同じ新入生にも全国トップレベルの選手が揃う同大での日々が楠本をさらに成長させるはず。「大学生とできる時期があるので、自分より強い大学生に慣れておいて、海外に挑みたいです」と力を込めた。

 今回の「NIKE CHANCE」ジャパンセレクションのヘッドスカウトで元日本代表DFの名良橋晃氏は「選ばれたからには、(グローバルセレクションで)自分の個性をしっかりと出してもらいたいですし、やるからには一番上を目指してやってもらいたいと思います。しっかりと目標を持って上を目指してほしい。(選出した)ボクたちの目に狂いはなかったと思ってもらえるように、頑張ってもらいたいです」とエール。世界を目指す日本の高校生の代表として、“名良橋ジャパン”として、履正社高FW瀧本高志(2年)とともに世界へ挑戦する楠本の次の目標は、外国人選手たちとのセレクションを勝ち抜いて、マンチェスター・ユナイテッドやユベントスなどのビッグクラブへの「スカウティングツアー」に参加する16名に入ることだ。「(“日本代表”として)軽いプレーはできないです。(ただ)外国人とやるのが楽しみ。16人は狭い枠なんで、自分の良さをひとつでも出してきたいです」。全国的に無名ながらも元日本代表選手やJリーグのスカウト陣から1番の評価を勝ち取ったDFが、世界相手に大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)
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