U-18日本代表候補のGK福井光輝(湘南工科大附高)が実力の一端を披露して世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」の関係者たちを沸かせた。1日、「NIKE CHANCE」ジャパンセレクション関東ラウンドに参加した福井は「フィードの部分では誰にも負けたくない」という左足から放たれる質の高いキックとシュートストップ、声でアピール。関係者たちは来場した瞬間から熱い視線を送り、ウォーミングアップの動き、そして審査でもその圧倒的な存在感とプレーに沸いていた。本人は「周りもレベル高い中で、自分が何ができるか考えて、結構周りを見ながらできたので、自分の持っているものは出せたと思います」と振り返ったが、フィールドも含めて1枠の合格者に名を連ねることはできず。「自分がやらなきゃいけないと考えてしまうと、身体が前に行き過ぎちゃって身体がついてこなかった。気持ちが前に出過ぎてしまっていた」。確かにクロスに対して早いタイミングで飛び出してしまうようなシーンも何度かあり、気持ちが前に出過ぎてしまっていたことを反省していた。

　それでもこの1年は、夏にU-18日本代表候補合宿に追加招集。一気にその名をユースサッカーファンに知らしめた。本人は「(自分が代表という)意識は全然しないっすよ。そういうことを考えたらダメなんで、自分が天狗になっちゃう。何も考えないでプレーするだけ」と意識はしなかったというが、周囲からの注目度は俄然高まった。その中で冬の全国大会神奈川県予選準々決勝で敗れるなど、全国舞台に立つことはできなかった。それでも神奈川県1部リーグを制して、プリンスリーグ関東参入決定戦では正智深谷高(埼玉)、横河武蔵野FCユース(東京)、桐生一高(群馬)という各都県1位相手に3戦1失点で優勝。旧・相模工大附高時代に夏冬計13回の全国大会出場を果たしている古豪をプリンスリーグ関東1部へ引き上げた。

　高校3年間について「仲間と何かの目標に向かっていくことは大事なことだと思っている。仲間がいたから今の自分もあると思う。3年間で一日足りとも逃してはいけない。その中でサッカーが楽しめた3年間でした」と福井。高校生活の最後に「プロへの道を広げたい」という思いで臨んだ「NIKE CHANCE」で勝者となることはできなかったが、ポテンシャルの高さは十分に示した。今後は日本体育大へ進学。「(一度選出されただけでなく)継続して続けば良かった。諦めてはいないですし、また誰かが見ていてくれると信じている」と年代別日本代表復帰をもちろん目指している。そして「絶対にプロになるんで、頑張ります」。4年後のプロ入りを最大のターゲットに大学サッカーでのスタートを切る。

(取材・文　吉田太郎)

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