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フォルランのC大阪入団会見要旨

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 セレッソ大阪に入団したウルグアイ代表FWフォルランが12日、大阪長居スタジアムで入団会見を行った。会見の冒頭には日本語で挨拶。しかも、異例とも言える長さのロングスピーチだった。

以下、入団会見要旨

(冒頭、すべて日本語で挨拶)
「こんばんは。日本の皆さま、はじめまして。ディエゴ・フォルランです。セレッソ大阪でがんばりますので、どうぞよろしくお願いします。日本政府、Jリーグの皆さま、ここでプレーができる機会をいただき、感謝いたします。以前から日本のファンでした。過去に3回、日本に来たことがあります。素晴らしいおもてなしを受けました。たくさんの希望と夢を持って来ました。去年、チームは4位にまで行きました。今年はいい成績を残せるよう全試合、努力します。どうもありがとうございました。おおきに」

―C大阪入団が決まった率直な気持ちは?
「こうしてC大阪というクラブに来ることができてうれしく思っています。あらためて、日本の皆さんが温かく受け入れてくださったことにすごく喜びを感じましたし、今まで以上に強い気持ちで戦い抜こうと、やる気もより一層、強く感じました」

―C大阪を移籍先に選んだ理由は?
「代理人の木村さんを通してオファーをいただいたときに、セレッソの方々の熱い思いを感じましたので、そこが何より大きな要因だったと思います。さらに今まで3回、日本に来たことがありましたが、いつも日本という国のすばらしさ、文化、人を思いやるリスペクトの素晴らしさを肌で感じていたことも動機の一つにあると思います。さらにサッカーの技術レベルが高く、スピードがあり、非常に良いサッカーをしていると思います。そういった日本という国、セレッソからオファーをいただいたことに対して、これは私にとって一つの挑戦であり、チャレンジだと思い、移籍を決断しました」

―移籍を決めた一番の決め手は?
「一つ挙げるとするならば、クラブの方々の本当に熱い気持ち、情熱だったのではないかと思います。チームとして若い選手が非常に多いという話を聞きましたが、さらに私が加わることによってクオリティーを高めていきたいという気持ちをヒシヒシと感じました。そして先ほども言いましたが、日本という国は生活においてもサッカーにおいても、そしてこのセレッソというチームにおいても非常にいい環境が用意されている。そういう選択をすることで自分自身の人生がより幸せなものになるのではないかと思いました」

―Jリーグのイメージ、そしてC大阪のイメージは?
「セレッソについてですが、常にいい選手を輩出してきたということ。特にここ数年ですね。非常にすぐれた育成組織から若い選手がどんどん育っていき、海外に飛び立っています。そういう話を聞いていましたので、非常にいい印象を持っていました。さらにJリーグについても、フィジカル、技術、すべてレベルの高い、非常にいいリーグだという印象を持っていました」

―C大阪には日本代表選手を含む才能のある選手が多く在籍しているが、現段階で気になる選手は?
「セレッソに関する情報はいろいろな人から聞いて、代表選手を含めて、本当にクオリティーの高い選手がそろっていることは聞いていました。ただ、実際に試合をフルで見たことはまだないですし、これからの練習の中で少しずつ選手のこと、チームメイトのことを覚えていきながら、ともに戦っていきたいと思います」

―C大阪には若い選手が多いが、クラブからはどんなことを期待されていると思うか?
「私に求められるものというのは、今まで他のチームでやってきたことと同じではないかと思っています。それは自分の持てるものを出して、多くのゴールを決める。それがどのクラブでも求められていたもので、このクラブにおいても求められるものであると思います。さらに若いチームということでもあるので、私の経験というものを練習そして試合において選手たちに伝えていきながら、アドバイスが必要であればしていきたい。そういう部分を求められているかと思っています」

―C大阪サポーターだけでなく、日本中のファンが注目している。あらためてJリーグでプレーする抱負と、どういう部分に注目してほしいか。
「常に他のチームにおいても私が心がけてきたことですが、ピッチに入った以上、ゴールをするということも含めて私のベストを尽くす。この姿勢を見ていただきたいと思います。そしてチームのために献身的に戦う。その姿勢はみなさんに是非見ていただきたいと思っています」

―W杯イヤーにブラジルから地球の反対側である日本に来ることに不安はなかったか? また、最後に試合をしたのはいつで、今のコンディションは?
「反対側の日本に来ることにまったく心配、不安というものはありませんでした。なぜなら日本のサッカーは非常に技術レベルが高く、フィジカル的にもハードなものを要求される。そういったリーグで私が戦うことによって、逆にW杯に向けていい準備ができると考えています。まったくもって心配はありませんでした。最後の公式戦は昨年12月8日、ブラジル全国選手権の最終戦の後半に出場したときになります。そのあと移籍が今回の形で決まりましたので、ブラジルのチームでのキャンプには合流していましたが、この移籍が決まったことで、チームを離れ、今年になってからは試合をしていません。しかし、練習はしっかりと積んできましたので、コンディション的には非常にいい状態にあると思います。あとは練習、そして試合を通して、試合勘を取り戻していくことが大事だと思っています」

―冒頭での日本語での挨拶が流暢だったが、今までに日本語を学ぶ機会があったのか? それとも移籍が決まってから学んだのか?
「まだまだ低いレベルにあると思います。ただし、単語はかなり覚えてきました。本当に難しいと思いますが、分かる単語も結構あるのではないかと思います。実は今回の移籍の話が決まったあとにウルグアイの日本大使館のアケミさんという女性の方に私と私の妻、2人で日本語のレッスンを受けてきました。言葉は私の母国の言葉とまったく違いますので、少しずつですけれども、努力を重ねて、私だけではなく、私の妻も日本語をいち早く覚えたいという気持ちがあります。本当に少しずつかもしれませんが、努力は続けていきたいと思っています」

―クラブハウスで選手、監督と会ってどんな印象を受けたか。またどんな話をしたのか?
「短い時間でしたが、クラブハウスに行って、監督、スタッフ、そしてチームメイトと会えたことは本当によかったと思います。ただし、時間的には本当に短い時間しか会えませんでしたので、チームメイトとは簡単な挨拶程度しかできませんでした。ただ、ポポヴィッチ監督はスペイン語が話せるので、もう少し時間を取ってスペイン語で話すことができました。本当に美しくきれいなクラブハウスで、あのクラブハウスを見た瞬間、早く練習してサッカーをやりたいという気持ちが出てきました」

―公式戦初戦のACLは約2週間後、Jリーグ開幕はその3日後。最終的には監督が決めることになると思うが、最初の公式戦に間に合わせるように調整するのか?
「おっしゃったように、そこの部分は監督が決めることだというのは私も承知しています。ただ、自分の気持ちとしては、今まで1か月近く体を動かして準備をして来日しましたし、できればACL初戦の25日から試合に出たい。可能であれば先発で出たいと思っています。ボールワークを含めて、試合勘を取り戻していきながら、目標としては25日のACL初戦を考えていきたいと自分では思っています」

―Jリーグのレベルが高いと言ったが、これまでプレーしてきたリーガ・エスパニョーラやプレミアリーグのような世界の一流リーグに近づくためにJリーグには何が必要だと思うか?
「レベルという話になりますと、イタリア、イングランド、スペインの3つの国のリーグは他の国より多少レベルは上なのではないかとは思いますが、それぞれの国でそれぞれのスタイルがあり、レベルもそう大きくは変わらないのではないかと思います。なぜ3か国のレベルが高いか。一言で言うと、やはり資金力になると思います。日本の選手、あるいはウルグアイの選手がいい契約の話をいただいて海外でプレーする現象がありますが、それはレベルの違いというよりは資金的な準備ができるかできないかという問題だと思います。日本であったり、メキシコ、ブラジルという国は、私の目から見るとそれほど大きなレベルの差はないと思っています」

―空港でもたくさんのサポーターが出迎え、この長居スタジアムにもたくさんのサポーターが来ている。サポーターからメッセージを受け取っての感想と、長居スタジアムの印象は?
「印象としては最高の印象になります。本当にメディアの方、そしてサポーターの方々に温かく受け入れていただいて本当に幸せに思います。またセレッソの社長、代理人の木村さん、本当に私に対して熱意を向けて下さったことをあらためてここで感謝したいです。今日、ほんの少しの時間ですが、大阪の街を車で走りながら見て、非常にいい印象を受けました。そして長居スタジアムだけでなく、キンチョウスタジアム、クラブハウスも最高の環境が整っているので、早く練習がしたいし、早く試合がしたい。セレッソのサポーターの皆さんが本当に温かく受け入れて下さったこと。その感謝の気持ちを表すために私はピッチでベストを尽くす。これに尽きると思っています」

―具体的な数字の目標はあるか? また、こう呼んでほしいというニックネームがあれば。
「具体的な数字の前に、監督が私のポジションをどこにするか。チームであり、私を見て決めると思うので、それをもとに自分で考えていきたいなと思っています。呼び方はフォルランでも構いませんし、ディエゴでも構いません。皆さんの好きな呼び方で呼んでもらえれば」

―先ほどJリーグの印象を話していたが、実際にJリーグの試合、C大阪の試合を見たのか?
「特にこの試合を見たと、挙げられる試合はありませんが、Jリーグに関しては、本当にいろいろな試合を見てきました。特にゴールシーンなどはインターネットでも見ることができるので、そういうのを見ながら感じたのは、サポーターの方のパッションと言いますか、熱意、情熱をスタンドから感じるし、さらに横断幕だったり旗がよく使われていて、そういうところが非常に印象に残っています」

―日本に来るにあたって家族とどういう話をしたのか?
「家族の存在は非常に大事な部分だと思いますが、私は昨年末に結婚したばかりで、その準備をしていたところで昨年10月に代理人の木村さんから日本に行く可能性がある、日本へ移籍の話があるという話を聞いたときに彼女に相談しました。そのときに彼女が言ってくれたのは、『あなたはいつも日本を素晴らしい国だと言っているよね。リスペクトを忘れない国民性、美しい国であり、礼儀正しい人がいると、常にあなたが言っていたから私も行きたい。あなたがどこに行こうが、私も付いていくよ』と言ってもらいました」

―日本で生活にするにあたって楽しみにしていることは?
「今まで日本に来たときは東京や仙台に行きましたが、今一番行きたいと思っているのは京都です。いろいろな方から『本当に美しいところだから、是非行ってみたほうがいいよ』と言われたので、京都には行ってみたいなと思います。さらに京都だけではなく、インターネットで情報を検索したらいろんな美しいところがあるので、時間さえあれば他のところにもドンドン足を運びたいなと思っています」

―具体的な目標はないということだが、前回のW杯、そしてスペインでも2度得点王になっている。日本でも得点王になるという意気込みは? またW杯に向けての意気込みは?
「私はスペインで2回得点王を取ったことがありますが、そのときを含めて私が感じたのは、プレイヤーとしていい仕事、サッカーが私の仕事になりますが、いいプレーをするためには、やはり人生を幸せに感じていなければ自分のいいプレーは出てこないのではないのかなと感じました。まず自分の大好きなサッカーができる。日々、毎日練習ができて、週末になれば試合ができる環境が自分に与えられているということに感謝しながら日々暮らすことが、結果として最高のプレーを生み出すのではないかと考えています。そして今年、W杯の年になりますが、私の選択としてこのチャレンジを決断しました。今までまさか日本でプレーすることがあるであろうとは考えたこともなかったのですが、日本のサッカーを見たことのある私としては日本のサッカーは非常にレベルが高く、技術力もあり、フィジカル的にも非常にタフなリーグである。そういった中でW杯という大切な大会を迎える1年に人生をかけてチャレンジする価値があるのではないかと考えて、今回の移籍を決断しました。私にとっても家族にとっても、W杯イヤーが素晴らしい1年になるようにがんばりたいと思います。そして、それが結果的にセレッソ大阪という私のクラブにとって最高の成績につながるように心から願っています」

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