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[デンソーカップチャレンジ]全日本大学選抜、宮崎合宿で自発的な変化も

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 全日本大学選抜の指揮を執る神川明彦監督(明治大)は17日、都内で開催された「デンソーカップサッカー2014」記者会見に出席。会見後、2月10日から14日まで開催された全日本大学選抜の宮崎合宿を振り返り、「この短い時間でここまで来ているならいいというレベルまで来ていた。それもコンディションが不十分な中で、凄くポテンシャルも感じたのはポジティブでした」と振り返った。

 宮崎合宿は天候の悪い日が続き、技術面に関しては思うようなトレーニングを実施することができなかった。また右足首手術の影響で長期離脱中の明治大FW和泉竜司(2年=市立船橋高)のように招集できなかった主力候補もいる。ただ所属チームでの新シーズンのトレーニングがスタートしたばかりでコンディションの整っていない選手たちが、F東京との練習試合を1-3で終えるなど、成果は十分にあったようだ。

 DF萩間大樹(専修大1年=川崎F U-18)がCBに入ったことでディフェンスラインが高く設定されてプレスがかかり、リーダーシップを発揮したSB湯澤聖人(流通経済大2年=流通経済大柏高)や存在感を示したMF松下佳貴(阪南大2年=松山工高)、MF小林成豪(関西学院大2年=神戸U-18)らもアピール。指揮官が「(前回の合宿に比べて)入りが全然違いました」と驚いたように、合宿初日から選手たちの積極的な姿勢、トレーニング、対外試合での戦う姿勢が見られ、また「(連日)人間的な部分にフォーカスしたミーティングをした」(神川監督)という中で選手たちも自発的にミーティングを行い「昨日のあの練習の雰囲気じゃダメだよな」「もっと自分たちでやらなければいけない」と言い合って練習の雰囲気をさらに向上させるなど、スタッフ陣が期待していた効果もあったという。

 全日本大学選抜は15年7月開催予定の第28回ユニバーシアード競技大会(2015/韓国光州)での金メダル獲得を目指して昨年12月に本格的な強化をスタートしたばかり。現在1、2年生の選手たちは所属チームでまだ主力になりきれていない選手が多く、神川監督も「まだまだ力が不足している」と首を振るように、個々の技術的な部分、戦術的な部分は物足りない。現在は、明治大を大学日本一などに導いた経歴を持つ神川監督が守備面からじっくりとチームをつくり始めている段階だ。その中で16年リオ・デ・ジャネイロ五輪世代でもある選手たちは、全日本大学選抜での活動も通して個、世代の成長を目指す。まもなく開催される「第28回デンソーカップチャレンジサッカー西都市大会」(2月28日~3月2日)は、同じ大学生の選抜チームとの戦いで、個々にとっては全日本大学選抜の生き残りも懸かっている。始動後初めて“公式戦”に臨む全日本大学選抜は目標の優勝を果たし、自分たちの強さを同世代の大学生たちに示す。

[写真]記者会見でコメントする全日本大学選抜・神川監督(右)と全日本大学連盟・乾技術委員長

(取材・文 吉田太郎)

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