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広島加入のDF高橋「魂、見せられた」、高校選抜がU-18Jリーグ選抜から初勝利

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[2.22 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜 0-1 日本高校選抜 国立]

 前日21日の「NEXT GENERATION MATCH」会見で日本高校選抜DF高橋壮也(立正大淞南高、サンフレッチェ広島)は「今年は必ず勝つという高校サッカーの魂みたいなものを国立競技場で見せられたらいいと思います」と宣言していたが、その言葉通り、日本高校選抜は「魂の」戦いぶりでU-18Jリーグ選抜から初勝利を勝ち取った。

 序盤から気迫で相手を上回るプレーを見せていたが、1-0で迎えた試合終盤の集中力は非常に高かった。山田耕介監督(前橋育英高)が「選手権が終わって、主力となる3年生は練習もあまりやっていなくて、コンディション不足が不安だったが、やはり最後の15分、20分は運動量が落ちて、何とか頑張って守ったという試合になった」と振り返るように押し込まれ、決定的なピンチの連続。ただゴール前でそれぞれが身体を張って必死のディフェンスを見せ続ける。そしてアディショナルタイムにFW米澤令衣(神戸U-18)が放ったヘディングシュートを高橋がゴールライン手前でスーパークリアするなど、最後まで相手に1点を与えなかった。

 チームを救ったDFは「みんな身体張っていたし、魂、見せられたんじゃないですか。後半の最後は引いて死に物狂いで守るみたいな。でも絶対に勝ちたいと思っていた。気持ちで勝ちたいと思っていたらボールも来る。(スーパークリアのシーンは)たまたまゴールの中にカバーしに行ったら来たので弾くだけだったんですけど。プロに行っても(その気持ちは)絶対に忘れちゃいけないと思うので、そういうところを見せたい」と胸を張った。高橋は昨年も「NEXT GENERATION MATCH」を経験。勝てた試合だったが、チームの勝利へのこだわりが足りずに勝ち切ることができなかった(0-0で引き分け)。それだけに今回は前日から勝利へ集中。「今年は昨日から絶対に勝つということを(周囲に)言い聞かせて、ずっと勝つ、勝つ、勝つとみんな言っていた。これからヨーロッパとか行くことになるけれど、いい弾みになったと思います」と頬を緩めた。

 広島入りした高橋はこの日、個人としてもチームを勝利へ導く働きを見せた。左サイドがベストのポジションだが、右SBでプレー。それでも「1対1では止められる気しかしない」と相手のサイドアタッカーを封殺し、持ち味の走力を活かして積極的なオーバーラップも見せた。プロ1年目でまだまだ課題はある。「ポゼッションで上手くいかなかったり、判断ミスしてしまったりとかあるけれど、そこはサンフレで必ず身につくと思うし、そういう判断のスピードが練習して上がっていけばもっと高いクオリティでプレーできる。走力ではサンフレでも全然負けていない。ミキッチ選手みたいな形でできるようにと(強化部の)足立さんからも話してもらっている。走力を早くJの舞台で発揮したいと思いますけれど、それまでにやるべきことはいっぱいあるし、1年目からがむしゃらにやりたいと思います」。昨年はともに高校選抜の一員として「NEXT GENERATION MATCH」でプレーし、今年は「富士ゼロックススーパー杯」でヒーローになった広島FW浅野拓磨のように自身も、この1年間で大きな成長を遂げる。

[写真]日本高校選抜は高橋らが気迫溢れる戦いを見せて初勝利

(取材・文 吉田太郎)

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