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広島2年目の19歳浅野がプロ初ゴール、「満足はしてない」

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[2.22 富士ゼロックススーパー杯 広島2-0横浜FM 国立]

 シーズン最初のタイトルが懸かった大一番でプロ初ゴールを叩き込んだ。1-0の後半14分、サンフレッチェ広島はFW佐藤寿人に代わってFW浅野拓磨がピッチに入ると、7分後の後半21分だった。MF野津田岳人のスルーパスに抜け出し、右足でゴールに流し込む。勝利を大きく手繰り寄せる貴重な追加点が、プロ2年目の浅野にとって待望の公式戦初ゴールとなった。

「こういう素晴らしい舞台で、プロ初ゴールを決められてうれしい。チームも勝って、すごくうれしい」。後方からのスルーパスを流し込んだ得点シーンについては「ゴールの位置は正確には判断できていなかったけど、思い切って振った」と振り返った。

 ゴールパフォーマンスは“ゆりかごダンス”だった。FW佐藤寿人は「青山(敏弘)に1月に子供が生まれたのと、ファン・ソッコにも去年の12月に生まれたのに(ゆりかごダンスが)できていなかったので」と説明したが、チーム内の“意思統一”は取れていなかったようだ。

 浅野は「意味が分からなかったんですけど、千葉(和彦)くんがやろうって」と告白。「みんな『だれの? だれの?』ってなって。『(ファン・)ソッコだ、ソッコだ』って言ってました。僕が高校2年生の選手権でゆりかごをやったので、その再現をしたのかな」と苦笑いしていた。

 四日市中央工高から昨季、広島に入団した浅野だが、1年前の2月23日は広島が柏と対戦した富士ゼロックススーパー杯の“前座試合”だった「NEXT GENERATION MATCH」に日本高校選抜の一員として出場していた。昨季のリーグ戦はわずか1試合の途中出場。なかなかチームの戦力になれなかった。

「普段の1タッチやコンビネーションの練習でも何もできなくて、悩んだ時期もあった。去年も勝負の年だと思っていたけど、思うようなプレーができなかったし、満足いくプレーは一つもできなかった」。ルーキーイヤーをそう振り返る浅野だが、シーズンを通して徐々にメンバーに絡み始め、天皇杯では4回戦から決勝まで4試合連続で途中出場を果たすまでになった。

 あらためて勝負の年と位置付ける2年目。その公式戦初戦で、のどから手が出るほど欲しかったゴールを決めた。だが、ここで立ち止まるわけにはいかない。「早く1点取りたいと思っていたし、うれしいけど、全然満足はしてない。他のプレーは全然ダメだったし、課題はいっぱいある」。リオ五輪世代の19歳は地に足を付け、一歩一歩、階段を上っていく。

(取材・文 西山紘平)

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