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ファイルフォックスGK三浦拓がスペイン留学へ「自分の成長スピードを上げてきたい」

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 フットサル関東1部リーグに所属するファイルフォックスのGK三浦拓が、26日から約1か月半、スペイン1部リーグのナバーラヘ、武者修行に出る。

 現在21歳の三浦は、栃木県の矢板中央高卒業後、日体大に進学。大学1年のときに関東1部リーグに所属するファイルフォックスの入団テストを受けて、同クラブに加入していた。高校2年時には、矢板中央高で選手権4強入りを果たしていた三浦だが、フットサルに転向してからは、戸惑うことが多かったという。

「僕は小学校の頃まで北海道で育っていたので、冬はフットサルを普通にやっていました。だから、ある程度はできると思っていたんです。でも、実際はうまくいきませんでした」

 それでも、ファイルフォックス加入2年目からは、当時選手兼監督であった元日本代表FP難波田治の抜擢もあり、出場機会を増やす。また、同時期に元日本代表GK石渡良太がチームに加入したことも大きかった。

「石渡さんのプレーを見て、すごく刺激を受けました。フットサルでは、GKのことを『ゴレイロ』と言うんですが、僕はサッカーのゴールキーパーの貯金でずっとフットサルをプレーしていたんだって思い知らされました。フットサルは、ボールの速さ、シュートの本数が多いこと、ボールに触る機会が多いことも、サッカーとはまったく違います。そういう違いを知って、少しずつうまくいくようになっていきました」

 ある程度、手応えをつかみ始めたころ、再び三浦は衝撃を受けた。それは、かつて石渡が所属していたペスカドーラ町田の練習に参加し、Fリーグ最高の〝ゴレイロ“であるイゴールとトレーニングをしたときのことだ。

「石渡さんに頼んでもらって、町田の練習に参加させてもらったのですが…もう、ビックリしました!! イゴールと一緒に、ゴレイロ専門のトレーニングをやっていたんですが、まったくできなかったんです。自分でも『こんなにできないものか!?』って、ショックを受けました。そのときですね、『このままじゃあ、ダメだ』と思ったのは。『このままFリーグのクラブに入っても、プレーできないな』って。それでスペインに行こうという決心がつきました」

 Fリーグのクラブでも、専門のGKコーチがいるのは、10チーム中2チームだけ。日本国内では、ゴレイロのトレーニング環境が整っているとは言い難い。ブラジルと並び、フットサルの強豪国であるスペインに行き、現地で専門のトレーニングを受けることには、短期間での爆発的な上達につながる可能性だけでなく、新たなトレーニング方法を身に付けるという長期的な効果も、あるはずだ。

「いつか、フットサルW杯に出て、自分の名前を残したいんです。FリーグU-23選抜に選ばれたときに、木暮賢一郎監督が自分は20歳のときから、常に世界を相手に戦ってきたという話をしていたんです。それを聞いて『オレもそうなりたい』と思いましたし、木暮さんも『世界を意識しろ。今から目標を高く持って、若いうちにやれることをやっておけ』と言われたので、スペインに行って、下手なりに本格的なプレーを感じて、自分の成長のスピードを上げてきたいと思っています」

 大きな野心と、それ以上の期待感を持って、三浦はスペインへ旅立つ。

(取材・文 河合拓)

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