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[MOM291]全日本大学選抜MF奥山政幸(早稲田大2年)_大学進学後ボランチ初挑戦で「期待以上」の働き

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.28 デンソーカップチャレンジ1回戦 全日本大学選抜1-0東海・北信越選抜]

 新生・全日本大学選抜初の公式戦は、決して楽な試合ではなかった。神川明彦監督が「決定力不足も想定内」という試合展開の中で、「期待以上のことをしてくれた」というのが、ボランチの奥山政幸(早稲田大2年=名古屋U18)だ。

 昨年12月の初合宿の際にボランチのポジションを与えられ、以降、全日本大学選抜ではボランチとしてチームの屋台骨を支える。しかし、所属する早稲田大ではCB、もしくはSBでプレー。本人も「これまで、ボランチをしたのは(名古屋U18時代の)高校3年のときの1年間だけ。大学に入ってからは一度もない」と言うように、ボランチ指名に少なからずとまどいがあったことは想像に難くない。それでも「どこかしら評価されているのは間違いない。難しいが、自分に与えられる役割をはたすだけ」と淡々と話す。

 そんな奥山を、当の神川監督は「実に地味なプレーヤーだが、決してブレない」と評する。自ら率いる明治大と同様、全日本大学選抜でも「いい守備からいい攻撃」をテーマとしたチームづくりする中で、守備に強く、運動量豊富で安定感抜群の奥山は必要不可欠な存在。この試合でも、強力な攻撃力をもつFW呉屋大翔、FW澤上竜二の2トップを軸にチーム全体が前がかりになる中、開いたスペースを的確に埋めてピンチを未然に防いだ。守備に強いのは言うまでもないが、後半にはボランチの片割れ、MF松下佳貴の「前に出るという持ち味が出ていないと感じたので、自分がバランスを見ながら前にだそうと思った。そのほうが幅を使った攻撃ができる」と、中盤を動かした。結果、前に出た松下がアシストに絡み、呉屋が決勝ゴールをマーク。全日本大学選抜の“初勝利”に大きく寄与した。

 ディフェンス出身とあって、自らの役割・特徴を「前の選手がプレーしやすいよう、守備でチームに貢献すること」と言い切る。とはいえ、ただ守っていればいいわけではないことも自覚している。「攻撃は決して得意なほうではない」が「上を目指すためにはチャレンジする必要がある」と奥山。全日本大学選抜でのプレーは、そんな奥山の新しいチャレンジを加速させそうだ。

(取材・文 飯嶋玲子)

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