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国立代替開催の開幕戦、鹿島が甲府に完勝し4年ぶり白星発進

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[3.1 J1第1節 甲府0-4鹿島 国立]

 2014年のJ1リーグが1日、各地で開幕した。国立競技場で行われたヴァンフォーレ甲府鹿島アントラーズの一戦は、鹿島が4-0で制し、4年ぶりの開幕白星スタートを決めた。

 当初開催予定だった山梨中銀スタジアムが大雪の影響により開催が困難となり、急きょ会場変更となった一戦。だが小雨が降り肌寒い気候の中でも1万3809人の観衆が国立競技場に集まり、開幕ゲームを盛り上げた。

 J1復帰1年目の昨季は、残留圏ギリギリの15位で終えた甲府。上位進出を目指し今季をスタートさせたが、先月関東地方を襲った記録的な大雪の影響で予定が大きく狂い、難しい状況の中でこの日を迎えた。
 3-4-3のシステムで臨む甲府は、栃木から加入したFWクリスティアーノ、名古屋から加入したMF阿部翔平、そして専修大から獲得した昨季関東大学リーグMVPのFW下田北斗の新戦力3人をスタメンに並べた。

 対する昨季は5位に終わり、7年ぶりのタイトルなしに終わった鹿島。さらにオフには大迫勇也が海外移籍を果たし、戦力ダウンが叫ばれている。
 迎えた開幕戦のスタメン。伝統の4-4-2のシステムに変わりはないが、フレッシュなメンバーを起用。FWはFWダヴィと4年目FW土居聖真の2トップ、右SBには3年目DF伊東幸敏、右MFには2年目MF豊川雄太。特に豊川はリーグ戦初出場を開幕スタメンで飾った。

 試合はファーストチャンスを生かした鹿島が先に試合を動かした。前半11分、右サイドからのCKを獲得すると、FW遠藤康がゴール前に蹴り入れる。これを駆け引きの中で中央フリーになったダヴィが難なく頭で合わせて、幸先よく先制点を奪った。追加点も鹿島に生まれる。同26分、今度は左サイドからのCKを獲得すると、中央混戦となったボールを遠藤が押し込み、着実にリードを広げた。

 甲府もサイド攻撃を中心に鹿島守備陣を崩しにかかるが、なかなか決定機を作り出すことが出来ない。ジウシーニョのクロスにファーサイドから走り込んだ阿部のシュートするが枠上。43分にはクリスティアーノのクロスにジウシーニョが頭で飛び込むが、ゴール前でDFにクリアされた。

 後半に入っても流れは変わらない。後半2分、セットプレーのチャンスを得た鹿島は、MF小笠原満男のFKをDF昌子源がバックヘッドで合わせてゴールに収める。初の開幕スタメンの座を勝ち取った4年目DFがうれしいJ初ゴールを決めて、勝利を決定的なものにした。

 またしても出鼻をくじかれた甲府。城福浩監督に「まず1点。その1点で流れは変わる」と送り出されるも、なかなか突破口が見つからない。後半29分からは長身のDF盛田剛平を最前線においてパワープレーを試みるが、鹿島ゴールを割ることは出来なかった。

 後半アディショナルタイムにダヴィがこの日2点目を決めてダメを押した鹿島。5年ぶりのリーグタイトル獲得へ向け、これ以上ないスタートダッシュを決めた。

(取材・文 児玉幸洋)

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