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ゼロックス杯に続く完封勝利の広島GK林卓人「特別な1勝」

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[3.1 J1第1節 C大阪 0-1 広島 ヤンマー]

 サンフレッチェ広島森保一監督は、全幅の信頼を口にする。「(林)卓人は経験のある選手で、安定感がある。DFとの連係も短い時間しかやっていないのに、かなりスムーズにやっている」。昨シーズン、リーグ最少失点だった守備の要となるGK西川周作が浦和に移籍。これを受けて04年以来、10年ぶりに広島に復帰したGK林卓人について、森保監督は目を細めて話す。

 相手が引いた際、広島はGKも含めたボール回しで、数的優位をつくろうとする。開幕戦となったセレッソ大阪戦でも、前からプレッシャーを掛けに来る相手に対して、林がボール回しに加わってプレスを回避する場面が、前半から何度か見られた。仙台在籍時は安全第一にボールを大きく蹴る機会が多かった林だったが、この日はプレッシャーがかかった状態でも、味方にボールをつなげていた。森保監督も「ビルドアップについても、ちゃんとチャレンジしている」と、チームのスタイルに適応しようとする姿勢を評価した。

 試合を振り返り林は「チームで取り組んできたことが、ピッチで表現できた結果だと思います」と、胸を張った。「(C大阪は)間、間でイヤらしいポジションをとってくる。ボランチが引き出されたときに、南野(拓実)選手に入られてターンされたり、仕掛けられる選手が多いので、そこで前を向かせないように気を付けてやっていました」と、この日の守備の狙いを明かした。

 後半9分には、FW柿谷曜一朗からのパスを受けたMF南野拓実にシュートを打たれる場面があった。これがブロックに入っていたDF塩谷司に当たってコースが変わったが、林がパンチングでCKへ逃れている。ギリギリのプレーに見えたが、林には余裕があったようだ。

「シオ(塩谷)がうまく最後足を出してくれたと思う。あれでかなり(ボールの)勢いも弱まったので、うまく連係して守れたかなと思います。シオは『焦った』と言っていましたが、『全然問題ないよ』とそのあとに伝えましたし、素晴らしいDFだったと思う。あれだけ相手を外に追いやってくれたり、シュートコースを失くしてくれている中で、さらにDFと連係をとって守っていくのが自分の持ち味だと思っているので、やりやすいです」

 横浜FMとのゼロックススーパー杯でも、林は完封勝利を飾っていたが、このJ1開幕戦も、また忘れられない一戦になったようだった。「試合前は、特に感じることはありませんでしたが、試合後は嬉しかったし、特別な1勝になりました。今日の試合もタフなゲームでしたが、タフなシーズンが始まったなという印象ですし、ここからそれを乗り切るために、しっかり体と心の準備をしていきたいです」。

 2連覇を果たした昨季の広島を支えたのは、リーグ最少29失点に抑えた守備力だった。新たな守護神は、チームのやり方に順応しながら、自分の持ち味を出して、昨季までの守備力を維持し、より強固にしていく。

(取材・文 河合拓)

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